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2010年12月29日 (水)

がん幹細胞 解明進む

がん幹細胞 解明進む
朝日新聞アスパラクラブ
科学面にようこそ

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 がん細胞には「黒幕」がいるらしい。
 増殖の能力が高く、がんのもとになる
「がん幹細胞」だ。

 この細胞を人工的に作って、がんができる
仕組みや撃退方法を探る研究が進んでいる。

 治療薬開発のヒントが見えてきたほか、
治療に抵抗するがんのしたたかさも
はっきりしてきた。

 がんは正常な細胞の遺伝子が変化し、
細胞が際限なく増えるようになったものだ。

 「暴走」の引き金は、紫外線や放射線、
ウイルスや細菌、たばこ、お酒など様々だ。

 がんはかつて、単一の細胞の塊と考え
られていた。
 しかし、性質の異なる細胞が集まり、
がん細胞のもとになる「がん幹細胞」も
混ざっていることが分かってきた。
 幹細胞は、自ら無限にコピーできる一方、
異なる細胞を作り出す能力がある細胞だ。

 抗がん剤や放射線でがん細胞をやっつけ
ても、がん幹細胞が残っているかぎり、
がんは再発しかねないのだ。

 がん幹細胞は1997年、カナダの
グループが白血病の細胞で見つけた。
 その後、脳腫瘍(しゅ・よう)や乳がん、
胃がん、肝臓がんなどからも相次いで
見つかった。
 最近では、がん化にかかわる特定の遺伝子
を正常な細胞に入れて、がん幹細胞を人工的
に作れるようになってきた。
 そこから、がんの発症の仕組みや治療法を
探ろうという試みが始まった。

 慶応大学の佐谷(さ・や)秀行教授は
2008年、マウスの骨髄にある細胞に
c―mycというがんを起こす遺伝子を
入れて、骨肉腫の幹細胞を作ることに成功
した。
 さらに白血病や脳腫瘍、乳がん、卵巣がん
でも作った。

 さらに、マウスの組織の中で移植した
がん細胞が増えたり動いたりする様子を
リアルタイムで観察する仕組みも作った。

 「幹細胞なのか、ただのがん細胞なのか、
見ただけではわからないだけに、
がん幹細胞と明確にわかっていることが
重要」という。
 マウスに移植された人工がん幹細胞は、
ヒトのがんとそっくりに細胞を作り、
増殖していくという。

 がんのしたたかさも見えてきた。
 骨肉腫の人工がん幹細胞を使った実験
では、幹細胞のなかでもさらに
「黒幕の黒幕」のような細胞が見つかった
のだ。
 増殖が速いがん幹細胞と違って、増殖の
スピードは遅いが、何らかの刺激で活発な
がん幹細胞に変化する「潜在がん幹細胞」
というべき細胞だ。
 通常のがん幹細胞に効く抗がん剤が、
潜在がん幹細胞には効かない。
 この細胞をどうにかしないと、がんの
根治は望めない。

 佐谷さんは「がんは、一つの細胞から
できたとは思えないほど複雑で、多様性が
ある。
 どれかの細胞が生き残ればいいという
戦略のようだ。
 がんが単一の細胞の集まりだったら、
治療はこんなに大変ではなかった」と話す。

 がんの新しい治療薬につながると期待
される成果も出てきた。

 愛媛大学の近藤亨教授は、神経膠腫
(こう・しゅ)(グリオーマ)という脳や
脊髄(せき・ずい)などにできるがんの
幹細胞を研究している。
 この一種であるグリオブラストーマは、
現在ある薬では数カ月の延命効果しかなく、
患者の1年後の生存率が半分ほどしかない。

 新たな治療薬の開発が期待されるが、
患者のがん組織から幹細胞を取り出して
培養することは非常に難しく、研究の壁に
なっていた。

 近藤さんらは06年、このがんで働いて
いる遺伝子をマウスの神経幹細胞に入れて、
人工がん幹細胞を作った。
 この幹細胞を使った研究で、活発に働いて
いる特定の遺伝子を見つけた。

 近藤さんは「この遺伝子で作られる
たんぱく質を目印とすれば、がん組織のなか
で幹細胞を見つけやすくなる。
 免疫システムを利用した『抗体医薬』の
開発にもつながる」という。
 抗体医薬は、攻撃対象の細胞を絞り込む
ことができるため、効果が高く、副作用は
少ない薬として注目されている。

 国立がん研究センター研究所では、
北林一生(いっ・せい)副所長らが、ヒトの
急性白血病の原因となる遺伝子をマウスの
骨髄細胞に組み込み、人工的に白血病の
幹細胞を作って病気を再現させる研究を
している。

 この研究で、がん幹細胞が生き続けるのに
必要な情報伝達ルートを発見。
 このルートを薬で遮断することで白血病の
発症を抑え、生存期間を2倍に延ばすことに
マウスで成功したと、今年5月に
米ネイチャー・メディシン誌に発表した。

 北林さんは「がん患者から採取した
がん細胞は、治療薬の試験には使えるが、
がんの原因をさかのぼっては調べられない。
 がんの発生や成長の様子を観察できる
人工がん幹細胞は、研究に必須のツールに
なる。

 今後、がんの種類ごとにがん幹細胞と
実験の仕組みが作られ、がんの解明が
進むだろう」と期待している。
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がん治療研究には「がん幹細胞」研究が
重要なんですね。
通常のかん細胞とがん幹細胞を明確に
区別すること。

一筋縄ではいかない難しさがなんとなく
わかりました。

>がんはかつて、単一の細胞の塊と
>考えられていた。
>しかし、性質の異なる細胞が集まり、
>がん細胞のもとになる「がん幹細胞」
>も混ざっていることが分かってきた。
>幹細胞は、自ら無限にコピーできる一方、
>異なる細胞を作り出す能力がある細胞だ。
>抗がん剤や放射線でがん細胞をやっつけ
>ても、がん幹細胞が残っているかぎり、
>がんは再発しかねないのだ。

>がんのしたたかさも見えてきた。
>骨肉腫の人工がん幹細胞を使った実験
>では、幹細胞のなかでもさらに
>「黒幕の黒幕」のような細胞が
>見つかったのだ。
>増殖が速いがん幹細胞と違って、増殖の
>スピードは遅いが、何らかの刺激で活発
>ながん幹細胞に変化する
>「潜在がん幹細胞」というべき細胞だ。
>通常のがん幹細胞に効く抗がん剤が、
>潜在がん幹細胞には効かない。
>この細胞をどうにかしないと、がんの
>根治は望めない。

>佐谷さんは「がんは、一つの細胞から
>できたとは思えないほど複雑で、多様性
>がある。どれかの細胞が生き残ればいい
>という戦略のようだ。がんが単一の細胞
>の集まりだったら、治療はこんなに大変
>ではなかった」と話す。

>がんの発生や成長の様子を観察できる
>人工がん幹細胞は、研究に必須のツール
>になる。

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