慢性疲労症候群への理解を訴える 篠原三恵子さん
慢性疲労症候群への理解を訴える
篠原三恵子さん
2010年10月29日 朝日新聞「ひと」欄より
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鉛が詰まったように体が重い。
起き上がることさえ難しい。
背中が痛くて、ぐっすり眠れない。
20年前、米国の大学に通っていたとき
に病は始まった。
2年間苦しみ、1992年、
「慢性疲労症候群」(CFS)と
診断された。
96年に帰国。
しかし、日本での診断は
「身体表現性障害」。
体が悪いのはあなたの気持ちの持ち方
次第、と告げられたようだった。
2年前、4人の患者と会ったことが
転機になった。家族にも理解されず、
経済的に苦しむ人が多い。
「医療にも福祉にも見放されている。
誰かが声をあげないと」
同じころ、米国の記録映画
「アイ・リメンバー・ミー」
(2000年公開)を知る。
監督自身がCFS患者で、病気の
実態と、偏見に苦しむ人々を記録して
いた。すぐに翻訳に取りかかり、昨秋から
都内各地で上映会を開いている。
「慢性疲労症候群をともに考える会」を
発足させて7カ月。
医療関係者にも賛同者が増えてきた。
今夏、いいニュースがあった。
米国でCFS患者の86.5%から
免疫機能を極端に低下させるウイルスが
発見されたという。
原因が分かれば、どれだけの患者が
救われるか。
5年前から寝たきりに。
そんな自らの姿を惨めに感じたことが
ある。でも、次女が車いすを押してくれた
時、そう思わない自分がいた。
リクライニングの車いすで、横になった
ままどこにでも出かける。
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強いですね。
>誰かが声をあげないと
そうですね。
こういう話を知ると、こういう本を
思いだします。
認められぬ病―現代医療への根源的問い
柳澤 桂子 (著)
わからない病気は病気として認めようと
しない。そんな傾向がないでしょうか?
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