レアアースの代替材料開発 戦略的に優先順位を編集委員 久保田啓介
レアアースの代替材料開発 戦略的に
優先順位を
編集委員 久保田啓介
010/11/3 7:00 日本経済新聞
詳細は、リンクを参照して下さい。
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中国からのレアアース(希土類)の輸入
が滞るなか、代替材料の研究機運が
高まってきた。
ナノテクノロジー(超微細技術)などを
駆使して、安価で入手しやすい材料から、
似たような性質や機能を引き出そうという
研究だ。
17種あるレアアースのうちどの程度を
代替できるかは未知数だが、成果が出れば
資源外交の武器にもなり、官民が知恵を
絞って戦略づくりを急ぐときだ。
これらの研究は今になって本格化した
わけではない。
2006年、中国がレアメタル(希少金属)
の輸出規制を強め、投機資金の流入もあり
資源価格が急騰。
その翌年、経済産業省と文部科学省が
開発計画を立ち上げた。
レアアースであるジスプロシウムのほか、
ディスプレーの透明電極の原料となる
インジウム、触媒に使う白金、超硬工具
向けのタングステンなどを対象に産学官で
代替材料の研究に着手した。
文科省の計画づくりにかかわった
細野秀雄・東京工業大学教授は、シリコン
やアルミ、鉄などありふれた材料で
レアメタルを代替できる可能性は大きい
とみて、「現代の錬金術になりうる」と
期待を寄せる。
ただ、これまでの政府の開発計画は、
全体的にみればちぐはぐ感も否めない。
レアメタルはレアアースを含め47種ある
が、このうち、研究対象になっているのは
10種程度。
代替材料を開発するより廃家電などから
回収・再利用するほうが有利な金属もある
はずだが、コストや環境負荷などの視点も
含め、優劣の検討は十分とはいえない。
まずは個々の元素について資源調達の
リスクを見極めたうえで、
(1)代替材料の開発が有望なもの
(2)リサイクル体制づくりを急ぐもの
(3)輸入や備蓄に頼らざるを得ないもの――
に分けて、研究の優先順位を決めたら
どうか。
経産省は今年度補正予算でレアアース
代替材料の開発を拡充する方針だが、
文科、環境省なども加え、政府として
一元的な戦略づくりが必要だ。
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同感です。
レアアースの確保に向けては、いろいろ
動きがあるようですが、何にしても、
戦略は必要です。
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