米国スマートグリッド事情 ICTベンダーは「配電」と「消費」に注目する
米国スマートグリッド事情
ICTベンダーは「配電」と「消費」に
注目する
[2010/11/19] IT Pro
詳細は、リンクを参照して下さい。
スマートグリッドに適用されるICT技術の
概略がわかります。
私も知りませんでした。ご参考まで、
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・ホームネットワーク[消費]
家電に設置するセンサーと通信機能:
家電にその電力消費量を報告させ、外部
からの信号によって停止したり作動を制限
したりする機能を持たせる。
家電をつなぐネットワーク技術:
WiFi、ZigBee、HomePlug、6LowPan、Z-Wave
などが候補である。
データ収集・統合・表示:
米Googleや米Microsoftが無償ソフトウエア
を提供している。
・スマートメーター[消費]
ICTベンダーが、メーターそのものを製品
として提供することは少ない。
ただし、デファクト標準になりつつある
ZigBeeを搭載したチップを提供する
ベンダーは、メーターベンダーと組み
スマートメーターを提供することができる。
・電気自動車[消費、配電]
米国の標準家庭で一日に消費する電力は
20kWh程度である。
電気自動車をフル充電するにはそれと
同程度の電力が必要と考えられている。
一方、日本の標準家庭の消費電力量は
約10kWhで、米国の半分である。
そして現在日本には約8000万台の自動車
がある。
全部が一度に電気化しないまでも、今後
電気自動車分野の成長は、これまでの
電力事情を大きく変化させるだろう。
電気自動車が引き起こすであろう大量の
電力需要を、新たな発電所を建設すること
なしに満たすには、複雑なシミュレーション
が必要となる。
電力需要全体を予測すると同時に、電気
自動車の投入によって刻々と変化する地域
の電力消費の増加を計測・把握して、電力
需要に応えなければならない。
現在、電力需要のピークは午後早くから
夕方にかけて起こり、普通夜間は需要が
減少する。
電気自動車の出現でこのピークが大きく
変化するかもしれない。
この新たな需要をさばくには、ICTの
技術が不可欠だ。
電力不足が深刻になった場合、それぞれ
の変電所がカバーする地域の電力需要を
把握して、まずほかの方法でその地域の
需要を低下させるよう対策を講じ、
それでも不足する場合は、電気自動車の
バッテリーから電気を調達する
(V2G:Vehicle to Grid)ことになる。
このV2Gにも複雑なソフトウエアが
必要だ。
地域で必要な総電力量を算出し、その
時点で地域にある電気自動車の数を把握し、
車の状況によって調達が可能かどうかを
判断する。
個々の車の充電量やその車に最低限必要
な電力量を概算して、調達可能な電力量を
計算する。
全体を統括するソフトウエア、
電気自動車上の制御ソフトウエア、
バッテリー上の複雑なソフトウエアが
不可欠となる。
・FAN(Field Area Network)/AMI[消費]
スマートメーターとネットワーク
アクセスポイント(NAP)をつなぐ
通信ネットワークが必要となる。
・長距離通信
FAN/AMIと電力会社のバックオフィスを
つなぐ通信技術であり、無線電話に使用
されるセルラー、WiMax、衛星、電力線
ブロードバンドなどの技術が存在する。
・再生可能エネルギーによる発電[発電]
太陽光や風力を利用した発電は、常に
一定した電力を供給できるわけではない。
そのため余剰電力をエネルギー貯蔵庫に
蓄える必要があるが、現在まだ商業化に
耐える大容量のエネルギー貯蔵技術は
ない。
加えて、送電網は電圧や周波数などを
一定の狭い許容範囲内に保つ必要があり、
いつでも再生可能エネルギーによる電力を
送電線や配電網に流せるわけではない。
その調整には複雑なソフトウエアが必要
となる。
逆に電力不足に陥った場合は電力貯蔵庫
から電力を調達することになる。
・エネルギー貯蔵[発電、送電、配電]
エネルギー貯蔵は、再生可能エネルギー
用以外にも、スマートグリッド内で電力の
需要と供給のバランスを保つために不可欠
である。
・配電線モニター[配電]
送電網に比べ全線の長さが格段に長い
こともあり、電力会社は一般的に変電所
以降の配電網をモニターすることはあまり
なかった。
スマートグリッドではこの配電網を常時
監視するシステムの設置が必要となる。
・送電線モニター[送電]
送電の状況は、送電インフラの各所に
設置されたセンサーでモニターされており、
配電線同様、SCADA/EMSと呼ばれるシステム
で常時管理されている。
特殊な分野なので、普通のICTベンダー
が参入するのは難しい。
・電力会社内システム
電力会社内のITインフラは、スマート
グリッドの採用によるデータの種類や量の
増加に伴い増強する必要がある。
・米国のICTベンダーの参入状況
以下省略、、
・東京電力も10月から実証実験
この記事では、スマートグリッドを
支えるICTの機能の主なものについて
述べた。
日本のスマートグリッドの動きを見て
いると、屋根に設置される太陽光発電と
電気自動車(バッテリーや急速充電)に
注目が集まっており、ICTは
スマートグリッドには関係が無いように
思われがちだ。
昨今どの分野もICTなしには成り立たなく
なっており、スマートグリッドの世界も
その例外ではない。
スマートグリッドの機能を解析して
包括的に述べたわけではないが、それぞれ
の要素を支えるITの技術や運用について
述べ、今後多くのICTの適用が見込まれる
ことを示した。
海外の電力会社に続き、日本最大の電力
会社である東京電力でも、スマート
メーターの実証実験を10月から開始した。
日本でもスマートメーターが設置されて
家庭が電力会社とネットワークでつながる
ようになれば、この記事で述べたような
機能が実装されことになるだろう。
その時になってからでは遅い。日本のICT
ベンダーは今からそれに備えるべきだろう。
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スマートグリッドと一口に言っても複雑で
大変そうです。
今、夜間電力は安価ですが、電気自動車が
ある程度普及してくると、値上げになるん
でしょうか?
夜間電力を皆が使うようになるはず
ですから、
充電中の車から逆に電力を網に吸い上げる
制御は難しいでしょうね?
いろいろ問題が出てきそうです。
スマートグリッドをうまく機能させる為
には国としての戦略が必要でしょう。
メーカーまかせでは駄目だと思います。
システムとしてうまく機能させる網の
構築が困難になると思われます。
企業各々の利害が絡みますから、
特に再生可能エネルギーの比率を上げる
のは大変でしょう。
大きく変動するエネルギーは入れたく
ないはず。
国が再生可能エネルギーの比率はCO2の
排出量などから算出してこうすると
義務化しないと駄目でしょう。
将来の電力ネットワークのあるべき姿を
描き、その実現の為に国としてどう
リーダーシップを発揮するか?
検討すべき事は山ほどあるはずです。
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