« 潮力発電:愛媛大・今治市、来島海峡で実験 来年度稼働目指す /愛媛 | トップページ | より自然な歌唱が可能になった女性型ロボット HRP-4C »

2010年10月13日 (水)

私が東京医大の再生委員を引き受けなかった理由

私が東京医大の再生委員を
引き受けなかった理由

2010. 10. 12 日経メディカルONLINE
日経メディカルブログ:
土屋了介の「すべて話そう」

詳細は、リンクを参照して下さい。

---------------------------------------
 今回は、東京医大の再生委員会について
書きたいと思います。

実は、9月9日に立ち上がったこの委員会
には、私にも参加してほしいとの連絡が
ありました。

一度は前向きに検討したのですが、理事長
の田中慶司氏と話をし、再生委員会が
大学見直しの基本方針だけではなく、
組織改革案、人事案も策定できないことが
分かり、「これでは大学を再生できない」
と感じ、私は委員を辞退させていただいた
のです。

 東京医大で相次いで不祥事が表面化した
ことは、日経メディカル オンラインでも
報道されています。

 これらを解決するために設置されたのが、
弁護士の郷原信郎氏を委員長とした
第三者委員会であり、その第三者委員会の
報告書に基づいて改革を行うのが、
再生委員会のはずでした
(関連記事1、関連記事2)。

 ですが、その第三者委員会が7月13日に
公表した報告書で求めていた、「全職員
による自己申告書の提出」は「しない」
と田中氏自ら明言されました。

それに伴って、同じく報告書で求められて
いた、「学外者が自己申告書に基づいて
人事を決める」という制度も
なくなります。
これまで通り、教授会が人事を決める
というのです。

 報告書には「教授会に問題がある」と
明示されていたにもかかわらず、田中氏は
「理事会が入れ替わったからもういい、
教授会に対策を行わせればいい」と言って
いました。

 ですが、理事会と教授会は両方とも問題
を指摘されており、解決したのは理事会の
問題だけ。

 教授会には手が付けられていないのです。

 こちらの問題に手を付けるのが
再生委員会のはず。

 ところがそれをやる気がないという。
 それでよいのでしょうか?

 そもそも、今回の東京医大にまつわる
問題は、その多くは大学ではなく、病院
から発生しています。

 ですから、問題は病院の人事体制、
ガバナンスにあり、そこに力を持っている
既存の教授会を温存しても解決には
ならないのです。

 また、再生委員会は資料の提出しか求め
られず、人を呼び出せないとされたのも
私には疑問でした。

 大学の改革のためには、少なくとも教授
の面談が必要です。
 この点についても、田中氏は
「第三者委員会で郷原氏が聞き取り調査を
しているから十分ではないか」と言って
います。

 ここまで聞いて、僕は「第三者委員会の
報告書と大きく齟齬があるのは明らか
なので、再生委員は受けられない」と
判断したのです。

 受け入れられない報告書をなぜ公表した
のか?

 第三者委員会の報告書を明らかに
無視するこれらの動きは、「報告書を
受け入れられない」と東京医大の首脳陣が
考えているようにしか思えません。

 仮に報告書が受け入れられないもの
ならば、公表せずに破り捨ててしまえば
よかったのです。

 報告書は郷原氏が勝手に公表したわけ
ではなく、理事会が了承して大学として
発表したもの。

 新理事会は第三者委員会の報告書、
すなわち大学の問題点に問題があることを
認めているのです。

 にもかかわらず、理事長がそれに沿った
解決策を選ばないというのは自己矛盾
ではないでしょうか。

 報告書の内容を実行する気がない
にもかかわらず、中身を公開する
というのは、公的役割を持つ機関としては
おかしな話です。
 世間に対して、失礼としか言いようが
ありません。

 また、再生委員会を受けられた先生方も、
本当に委員会の意味を考えて受けられた
のか、疑問が残ります。

 私に説明されたのと同様の説明だった
とすれば、東京医大の改革の背景を
十分理解できたとは思えません。

 事実、8月の半ばに、委員会の委員長に
就任された高久史麿氏(自治医科大学学長)
とお話した際、先生は第三者委員会の
報告書に目を通してさえおられません
でした。

 結局、私は委員を引き受けません
でしたから、現在、東京医大の内部が
どのようになっているかは分かりません。
 ただ、外形的なものを見る限りに
おいては、変える気がないとしか思え
ないのです。

 にもかかわらず、変える気のある
ようなことを世間に示すのは、世間を
欺く行為でしょう。

 今回の内容のようなことは、あえて私が
このような場で書くべきことではないの
かもしれません。

 東京医大の関係者にしてみれば「土屋が
騒いでいるだけ。
 騒がなければすぐに終息する話なのに」
と思われたかもしれません。
 ですが、現在の東京医大は、病院が病院
として再生するための数少ないチャンスを
逃しているように思えてならないのです。

 他国は、病院がまずありきで、大学は
そこで教育をさせてもらっていますが、
日本だけ逆。

 いまだに「教室のために病棟がある」
構図は変わりません。
 これを契機に、末端まで意識を変える
ことができれば、立地もいいですし、
東京医大は日本一の医大になれると思う
のですが。
---------------------------------------

土屋先生の勇気に感謝します。
貴重なご意見ありがとうございました。

一般の人にとって、病院と教授会との関係、
言い換えれば、病院と大学の関係について、
現在の状況を知る手段がありません。
その意味でこの記事は大変参考になり
ました。ありがとうございます。

>他国は、病院がまずありきで、大学は
>そこで教育をさせてもらっていますが、
>日本だけ逆。
>いまだに「教室のために病棟がある」
>構図は変わりません。
なかなか変わらないでしょうね。

土屋先生のご意見に大賛成です。
正論だと思います。
その正論が通らない。おかしなことです。

>東京医大は、病院が病院として再生する
>ための数少ないチャンスを逃したのだと
>思います。
同感です。誠に残念なことです。

第三者委員会の報告書と大きく齟齬がある
のだとすれば、「変える気がない」と解釈
するのが当然のことだと思います。

マスコミは問題が発生したということばかり
報道するのではなく、その後どう変化したの
かについても報道すべきではないでしょうか?

国民はどうやって知れば良いのでしょうか?

問題があった。問題があった。ばかりでの
報道は、知りたいことの半分、あるいは
それ以下ではないでしょうか?

事実の報道は、できるはずでは?
事実の報道が事実上批判の報道に
なってしまうからできない?

マスコミも世の中を良くするために
貢献してほしい。
貢献できる力を持っているはず。

|

« 潮力発電:愛媛大・今治市、来島海峡で実験 来年度稼働目指す /愛媛 | トップページ | より自然な歌唱が可能になった女性型ロボット HRP-4C »

医療関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/210730/49730173

この記事へのトラックバック一覧です: 私が東京医大の再生委員を引き受けなかった理由:

« 潮力発電:愛媛大・今治市、来島海峡で実験 来年度稼働目指す /愛媛 | トップページ | より自然な歌唱が可能になった女性型ロボット HRP-4C »