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2010年10月 3日 (日)

デバイスラグ問題と日本の「ノーリスク志向」

デバイスラグ問題と日本の「ノーリスク志向」
2010. 10. 1 日経メディカルONLINE
日経メディカルブログ:
昭和大心臓外科「手取屋教授の独り言」

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 ここのところ、デバイスラグやドラッグ
ラグの問題が巷で騒がれています。

 循環器の分野は、PCI(経皮的冠動脈
形成術)も外科も、デバイスラグには
長い間悩まされてきました。
 「医療鎖国状態」って憤る人も、決して
少数ではありません。

 僕もたぶん、5年前だったら、「とにかく
遅い、やってられない、最新のデバイスを
早く!」と一方的にわめき散らしていたと
思います。ただ、最近では、ちょっと大人
(?)になったのか、考え方が変わって
きました。

 目の前にいる一人ひとりの患者さんへの
診療を考えれば、やはり、デバイスラグ
にはいら立ちます。

 一方で、日本の医療全体で見た場合
(ここらへんの頭の切り替えはちょっと
難しいところですが…)、こんな高水準の
医療を、どこでも誰でも、そしていつでも
受けることができる国は、世界中見渡して
も日本以外にはない!で、結果的にせよ、
日本の医療制度を支えている大きな柱の
一つは、めちゃくちゃ厳しい許認可制度
だと思うんです。

 日本で医薬品や医療機器の承認審査業務
を担っているのは、医薬品医療機器総合
機構(PMDA)です。

 PMDAによる審査期間は、一時長期化の
傾向にありました。
 その背景には、度々起こった薬害事件
などにより審査が厳格化され、その一方で
十分なマンパワーが補充されていない
という事情もあったようです。
 しかし、官僚的(純日本的?)事なかれ
主義からか、認可のプロセスにおいて
医学的ニーズをそれほど重視せず、石橋を
叩いて割ってしまうようにも感じられる
PMDAの慎重な姿勢が、デバイスラグや
ドラッグラグを深刻化させた面も否定
できないと思います。

 審査承認に関するこうした閉塞感は、
医療側の開発意欲をそいでしまいます。

 悪影響を受けるのは、患者だけでは
ないのです。

 例えばステンドグラフト(ステントと
いわれるバネ状の金属を取り付けた新型の
人工血管)は、治療法の開発段階では
技術的にもプロダクト的にも日本が世界の
トップを走っていたのに、製品化される
段階においては、海外メーカーに先を
越されてしまいました。

 で、この2・3年で海外メーカーの製品が
承認されて“逆輸入”できるようになった
ら、メディアに「世界で最新の
テクノロジーの導入」なんていわれて脚光
を浴びている・・・。ホント、がっかりです。

 欧米では、医療のような不確かな分野
での開発で結果的にしくじっても
ある程度の免責が認められるのが普通
ですが、この国でしくじったら法的責任が
厳しく問われます。

 加えて、程度が低いメディアの餌食に
なるリスクもあります。

 社会的な許容度が下がっていることの
裏返しなのかもしれませんが、ちょっと
したミスだったとしても嵐のような
バッシングを受けかねません。

 これはある意味、法的責任を追及
されるよりも恐ろしい・・・。

 結局のところ、デバイスラグやドラッグ
ラグの問題の根っ子は、自らがリスクを
負うことを極端に嫌う一方で、事前予測が
困難なトラブルまで過失としてヒステリック
に糾弾しがちな最近の日本の傾向にある
のかもしれません。

 メーカー、行政、医療関係者、患者の
いずれもがリスクを負おうとせず、
予測不能と思われるミスまで徹底的に非難
されるのなら、デバイスラグや
ドラッグラグが深刻化するのは当たり前
でしょう。

 デザインの世界では、リスクを避ける
保守的な日本企業に見切りをつけ、アジア
の企業に活躍の場を移す日本人の
デザイナーが増えているそうです。

 確かに、グッドデザインエキスポを
見ても、韓国や台湾、タイの企業の製品の
方がよっぽどかっこいい!
 ただ、こうした状況って、
やばいよなぁ…。

 「ノーリスク・ノーリターン」

 今の世の中は、社会的な許容度が低下し、
ちょっとのことで大騒ぎになるだけに、
「ノーリスク」志向が強まっているように
感じます。

 デバイスラグのことを考えているうちに、
日本の将来が本当に不安になってきました。
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本当に不安です。

いろいろ問題はあるでしょう。
何か解決しようとすると副作用が必ず
でてくるものです。
かと言って、このままで良いはずは
ありません。

なんとかしないと、本当に崩壊します。
医療も、企業も、何もかも。

デバイスラグやドラッグラグの問題は
明らかです。

このままで良いはずはありません。

このことに直接関連する企業も、患者も
医師も、大きな損失を被っています。
これは無視できません。

たしかに、失敗に対して不寛容なように
見えます。
又、マスコミの程度の低さも相当なもの
だと思います。
リスクをとらない姿勢も情けない。

これでは収縮しかない。拡大は出来ないと
思い切らないといけないはず。
そうは思っていないとしか思えない。
危機感があれば、行動するはず。
崩壊するのだから、

どうか影響力を行使出来る人は、行動して
欲しい。

失敗に対して寛容であるべきというのなら
そういう仕組みを何故作っていこうと
しないのか?

マスコミの報道がおかしいというのなら、
マスコミ全体で報道はこうあるべきと
言う基準を何故作ろうとしないのか?

医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査
基準が異常に厳しく、さらに医学的ニーズ
をそれほど重視していないのだとするの
なら何故、変えて行こうとしないのか?

デバイスラグやドラッグラグであるために
被っている損失より、現在のやり方の方に
利益が認められるということなのでしょう
か?

理解に苦しみます。

今まで、いろいろな記事を見てきました。
問題を指摘している方は確実におられます。

なのに、感じられる変化は無いに等しい。

仕組みを変えていくことが出来る立場に
いる人達に強烈な危機感がないからだと
思います。

打てる手はあるはずです。
なのに打たない。残念です。

「こんな高水準の医療を、どこでも誰
でも、そしていつでも受けることができる
国は、世界中見渡しても日本以外には
ない!」

と言ったところで崩壊してしまっては
意味がない。

崩壊を防ぐ為に何をしなくては
いけないのか?
優先順位は何が先なのか?
何から手をつけるべきなのか?

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