風力発電、海上に進出
風力発電、海上に進出
朝日新聞アスパラクラブ
科学面にようこそ
詳細は、リンクを参照して下さい。
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狭い国土ながら、広大な海に囲まれた
日本。風力発電の新たな設置場所として、
海洋が注目されている。
日本周辺には「風資源」が豊富な海域が
広がっており、陸上に比べて騒音や景観の
問題を減らせるとの期待もある。
風車を海面に浮かべる「浮体式」など、
世界最先端の技術開発も進行中だ。
海面にそそり立つ直径80メートルの
白い風車が、潮風を受けてゆっくりと回る。
鹿島灘に面した茨城県神栖(かみ・す)
市の「ウインド・パワーかみす」は、日本
で3カ所目の洋上風力発電所だ。
約35億円かけて民間会社が設置、今年
6月に本格稼働した。
岸近くの海上に立ち並ぶ7基の風車は、
出力が計1万4千キロワット。
約7千世帯分の電力をまかなえる計算だ。
洋上風力発電所は、北海道や山形にも
あり、計14基の風車が動いている。
いずれも比較的岸に近い場所にあるが、
将来は、沖合にも設置場所が広がると
みられている。
「海上は、陸よりも強くて安定した風が
吹く。海域にもよるが、同じ規模の
陸上施設に比べて1・5倍以上の発電量が
期待できる」
建設コストを陸上の2倍程度と試算する
石原教授は「風力発電を事業化する目安
となる年平均風速は陸上では
6・5メートル以上だが、
洋上では7・5メートル以上が望ましい」
と話す。
日本ではまだ珍しい洋上風力発電だが、
欧州各国は、1990年代から普及に
取り組んでいる。
英国やデンマーク、オランダなどが
熱心だ。
欧州を中心に世界では900基以上が
稼働しており、
出力は計200万キロワットを超す。
欧州風力発電協会(EWEA)は、
2020年には導入量が4千万キロワット
になると予測している。
洋上風力発電が日本でも普及するための
条件として、日本風力発電協会の
中尾徹情報技術局長は「欧州の技術を
そのまま使うのではなく、台風の襲来など、
日本の自然に合わせた技術開発が必要だ」
と指摘する。
世界の洋上風力発電のほとんどは、海底
に直接設置する「着床式」。
一方、風車を海上に浮かべ、より深い
海域に設置できる「浮体式」の研究開発も
進む。水深が50~60メートルを超すと、
着床式より浮体式のほうがコスト面で有利
との試算がある。
環境省は、12年度に浮体式の実証試験
を始め、16年度の実用化をめざす。
同省は、送電用の海底ケーブルが設置
しやすい沖合30キロまでの近海で、
浮体式の設置に適した
水深50~200メートルの海域には、
5600万キロワット分の潜在的な
「風資源」があるとみる。
浮体式は、ノルウェーなどに先行例が
あるものの、世界的にまだ開発が始まった
ばかり。
日本が技術で世界をリードするのも夢
ではない。
新エネルギー・産業技術総合開発機構
(NEDO)は来年7月、千葉県沖の
太平洋に2400キロワットの着床式の
施設をつくり、来秋から実証試験を
始める。岸から約3キロ離れた、日本初の
本格的な沖合型の洋上風力施設になる。
伊藤正治主任研究員は「日本の気象条件
に適した風車を開発するのと並行して、
海の生物への影響についても詳しくデータ
を集めたい」と話している。
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>台風の襲来など、日本の自然に合わせた
>技術開発が必要だ
そうですね。
風力発電は再生可能エネルギーのひとつ
として欠かせないものだと思っています。
困難を乗り越えて是非世界をリードして
欲しい。
風の資源量の図から見ても浮体式が本命
なようですね。
世界に先行できれば、世界ではまだ浮体式
のものは少ないようですから、輸出などの
経済効果も見込めます。期待しています。
ただ、海の生態系に本当に影響はない
のか、生物学の専門家によるきちんとした
検証もお願いしたい。
後は、電力網の問題ですね。
折角完成しても、接続できる電力網が
なければ意味がなくなる。
これがもっとも心配な点です。
こちらが解決しないと拡大しない。
どちらかというと、政治の問題。
大問題です。
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