Vol. 266 プロフェッショナル・オートノミー:日本医師会の情報操作と医療界のガラパゴス化
Vol.266 プロフェッショナル・オートノミー
:日本医師会の情報操作と医療界の
ガラパゴス化
健保連 大阪中央病院 顧問 平岡 諦
2010年8月19日
MRIC by 医療ガバナンス学会
詳細は、リンクを参照して下さい。
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日本のプロフェッショナル・オートノミー
は、世界のprofessional autonomyとまったく
「似て非なるもの」である。
その違いの元は「患者の人権擁護を医療
倫理の第一」とするかどうかである。
時の権力・その他からの「患者の人権侵害」
を擁護するために必要とされるのが
professional autonomyである。
「患者の人権擁護を医療倫理の第一」と
することによりprofessional autonomyを
維持・実践することが医療倫理となる。
それを維持・実践しなければ医療倫理違反
となる。
医療倫理は「個人の努力まかせ」では守れ
なかった。
「個人の努力だけでなく、システムで補完」
するための医師集団内のシステムが
self-regulationである。
「個人の努力だけでなく、システムで補完」
しようという考え方は医療安全と同じである。
日本の医療界は「患者の人権擁護を医療
倫理の第一」とすることを宣言(profess)
していない。
だから日本のプロフェッショナル・
オートノミーは「患者の人権擁護」のため
ではない。
だから国民や患者から支持されない。
そして日本の医療界は閉塞状態から抜け
出せない。
なぜこうなったのか。
それはつぎの構図による。
日本医師会の国内向け情報操作
↓
日本語という壁による「世界の常識」からの
鎖国状態
↓
日本の医療界の「ガラパゴス化」
↓
日本の医療界の閉塞状況(医療不信、
医療崩壊)、である。
インフォームド・コンセントやセカンド・
オピニオンを知らない医師はいないだろう。
しかし世界医師会(WMA)のいう
「professional autonomy and self-
regulation」が「患者の人権擁護のための
システム」、「医療倫理の遵守のための
システム」だということを日本の医師は
知っているだろうか。
「世界の常識」を知らない(あるいは知ら
されていない)日本の医療界、これこそが
「鎖国状態」と呼ぶべき状況である。
そして独特のプロフェッショナル・
オートノミーを発展させている。
これが「ガラパゴス化」である。
そして、閉塞状況から抜け出せないのだ。
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信じられないというのが私の感想です。
世界の医療界はあるべきことを言っている
と思われます。
それなのに、
>日本の医療界は「患者の人権擁護を医療
>倫理の第一」とすることを宣言(profess)
>していない。
そうです。
どうしてでしょうか?
何故日本の医師会は宣言しないのでしょう?
何か不都合があるのでしょうか?
不思議でなりません。
大問題ではありませんか、
医の根本です。その考え方に相違がある。
世界の常識とはずれている。
なのに依然として変わらないとは?
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