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2010年9月28日 (火)

ナノに挑む開発競争

ナノに挑む開発競争
2010/09/28 朝日新聞
朝日新聞アスパラクラブ
科学面にようこそ

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 電子顕微鏡の開発競争がいま、熱い。
 懸案だったピンぼけを解消する突破口が
見つかり、分解能が急速に上がってきた
からだ。

 てこ入れに乗り出す欧米に負けじと、
日本も「世界一」の性能を目指す
プロジェクトを立ち上げた。
 「お家芸」を復活させ、日本企業の
世界シェアを奪い返そうとしている。

◇電子顕微鏡のピンぼけ解消
 科学技術振興機構(JST)が、
2004年から開発に計9億6千万円を
投入。
 日本だけではない。
 米国25億円、欧州連合18億円、
ドイツ18億円、英国25億円――。
 過熱する開発競争のきっかけになった
技術革新は、どんなものなのか。

 光ではなく、波長をずっと短くできる
電子のビームを使う電子顕微鏡は、
もっと小さなものを観察できる。
 ビームをぶつけて、試料表面から飛び
出た電子を数えたり、薄切りの試料をすり
抜けた電子の影絵をとったりする仕組
みだ。
 磁場をかけて加速した電子のスピード
は、光速の半分ほどにもなる。
 このときの波長は、光の10万倍以上
も短い。

 最初の電子顕微鏡は1930年代に発明
された。
 電子ビームがぶれないよう電源を安定
させたり、顕微鏡をおく部屋の揺れを防い
だり。こうした工夫で、波長の短さを
できるだけ生かせるよう精度を上げて
きた。

 米国の「FEI」社と並び、電子顕微鏡
製造大手の一角を占める「日本電子」
によると、今の顕微鏡は「近くを通る電車
にも影響を受ける」ほどの精度。
 大電力を使って走る「巨大な金属の箱」
が、電磁気的な揺れを起こすからだ。
 東京都昭島市にある同社の研究施設では、
1キロほど離れた場所を走るJR青梅線の
影響を避けるため、終電後の夜中に作業を
することも。
 精度が極限に近づき、できる工夫は
減ってきた。

 ぶつける電子の速度を上げることで波長
を短くし、分解能を上げるやり方もある。
 だが、そのためには巨大な加速器が
必要だ。日本電子が販売する最も大型の
機種は、高さが20メートル近くあり、
1台約40億円もする。
 電子が高速で衝突すると、観察する対象
が壊れてしまう問題も起きる。

 結局、さらなる性能アップには、もっと
根本的な対策、つまりピンぼけの防止
しかなくなってきた。
 ただ、その方法がわからない。

◇独チームが突破口
 突破口は1995年に開かれた。
 ドイツのハイダー博士らのチームが、
50年間も実現されないままだった技術を
手にしたのだ。

 「透過型」と呼ばれる電子顕微鏡に
使われる技術だ。
 透過型では、薄切りになった試料を通過
した電子ビームが、電磁石の力を利用した
「凸レンズ」で拡大される。
 問題は、ビームが円形のレンズを通り
過ぎるとき、中心の方と外寄りの方では
電子の屈折の仕方が違うために、焦点が
合わなくなることだ。

 ピンぼけをちょうど相殺する凹レンズに
ビームを再度通せば、焦点は合わせられる。
 実際、光学顕微鏡では凹レンズでぼけを
解消している。

 電磁気のレンズは「凸型」のみで、
「凹型」はつくれなかった。
 作り方の理屈は1940年代からあり、
多くの研究者が挑んだが跳ね返され、
開発は不可能ともみられてきた。
 ところがハイダー博士らは、複数の
レンズを組みあわせてぼけの相殺に成功。
 JSTのプロジェクトを統括している
田中通義・東北大名誉教授は
「大衝撃だった」と話す。

 ハイダー博士は日本電子製の顕微鏡を
使って研究を進めるなど、同社と関係が
深かった。だが、博士が設立した会社は、
凹レンズ技術をライバルのFEIにも
供給。これを応用した電子顕微鏡が
ヒットし、FEIは05年ごろから業績を
伸ばした。
 日本電子を含む日本企業のシェアは
低落する傾向だ。

◇世界覇権を日本に
 JSTのプロジェクトについて、田中
名誉教授は「世界の覇権を日本に取り戻す」
と目的を説明する。
 東京工業大と産業技術総合研究所が、
日本電子と協力し、独自のピンぼけ
解消装置開発を目指すものだ。

 東工大は昨年、世界最高となる0・05
ナノメートルという分解能を達成した。
 原子の中でも特に小さく、観察が難し
かったリチウムの撮影にも初めて成功。
 電気自動車などに使われ、将来性が
見込まれるリチウムイオン電池の開発に
役立つという。
 産総研は、生体や半導体など柔らかい
分子を、比較的低速の電子ビームを使って
壊さないように観察する技術の開発を
進めている。

 日本電子は東工大の成果を生かした
新機種を発売する予定だ。
 栗原権右衛門(ごんえもん)社長は
「台数だけでなく、売上額でもFEI
を上回る」と目標を掲げ、力説する。
 「世界一になることはブランドに
つながる。
ビジネスとしての意味があるんです」
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>世界一になることはブランドにつながる。
>ビジネスとしての意味があるんです」
そうですよね。

「電子顕微鏡等の電子ビームを用いる
計測機器の精度は、レンズ系の技術と
電子源技術によって決定づけられる。」
そうで、
今回の記事は独自のピンぼけ解消装置開発
(レンズ系の技術)を目指したものです。


前に紹介した下記記事は、
従来にない電子源を開発し、電子源性能を
飛躍的に向上させ、電子顕微鏡等の性能を
世界一とするものです。

電子顕微鏡の性能世界一奪還可能な
電子源開発

素晴らしいですね。これで、
日本は電子顕微鏡の性能で世界一を
達成できそうです。うれしいですが、
常に競争、たいへんです。

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