遺伝子泥棒の寄生植物
遺伝子泥棒の寄生植物
24 September 2010
RIKEN Research Highlights
詳細は、リンクを参照して下さい。
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寄生植物が宿主植物の核内遺伝子を
「盗んでいる」可能性が見つかった。
これにより、植物ゲノム進化について
再検討が必要になるかもしれない。
親から子へと受け継がれるのではなく、
個体間や異なる生物間で遺伝子が移動する
「遺伝子の水平伝播(HGT)」という過程
は、細菌に広く認められ、進化で重要な
役割を果たしていると思われる。
植物においてもHGTはみられるが、微生物
との間の移動、ミトコンドリア遺伝子の
移動、近縁種間での転移因子による移動に
限定されていると考えられていた。
ところがこのほど、宿主植物と寄生植物
の間で核内遺伝子が水平伝播することが、
理研植物科学研究センター
(神奈川県横浜市)の白須賢グループ
ディレクター(GD)を中心とする研究チーム
により報告された1。
核内遺伝子は、二重膜構造をもつ細胞
小器官ミトコンドリア内にある
ミトコンドリア遺伝子と異なり、細胞の
核内に存在し、植物ゲノムを構成する
遺伝子である。
今回の発見から、寄生植物は、有用な
遺伝子を宿主植物から入手することにより、
新たな機能をゼロから進化させなくても
速やかに環境に適応できるようになる
可能性が示唆された。
これはちょうど、今日の植物育種で、
遺伝子組み換えにより、病害抵抗性のような
好ましい形質の遺伝子を別の種から導入して
いるのと同じことである。
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興味深い話ですね。
寄生植物は、単に寄生しているだけでなく、
遺伝子まで宿主から入手するとは、
研究を見守りましょう。
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