致命的な設計ミスが破綻を招く! 虚偽と無責任に満ちた公的年金制度の悲劇
致命的な設計ミスが破綻を招く!
虚偽と無責任に満ちた公的年金制度の悲劇
2010年9月25日 DIAMOND online
野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
詳細は、リンクを参照して下さい。
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1980年以前の計算では、まず経済成長率
(賃金上昇率)がゼロと置かれた。
そして、割引率としてその当時の
長期利子率に近い5%ないし6%という値が
用いられた。
しかし、これは、信じられないような
誤りである。
後で説明するように、ゼロ成長経済に
おいては、利子率はゼロ付近のきわめて
低い値になるはずだ。
したがって、経済成長をゼロと置くので
あれば、割引率としては非常に低い値を
用いる必要があった。
他方、割引率として現実の長期利子率
に近い値を用いるのであれば、成長率と
しても現実の経済成長率(あるいは現実の
賃金上昇率)に近い値を用いる必要が
あったのである。
「ゼロ成長経済で高率の利回り」が
「控えめで保守的な想定」だという考えは、
1970年代頃までの年金財政の説明には
頻繁に見られたものだ。
いまに至るまでその誤りに気づいて
いないというのは、驚きという他はない。
付け加えれば、経済成長率と割引率の
想定の齟齬は、現在の財政検証においても
見られる。
2009年度財政検証においては、
基本ケースとして、賃金上昇率2.5%、
積立金の運用利回り4.1%が想定されて
いる。
現実にありうる値に比べて絶対水準も
高すぎるのだが、相互の相対関係も誤って
いる。
運用利回りが賃金上昇率よりこれほど
高い値になるのは、ありえないことで
ある。
現在の日本の公的年金制度は、破綻した
日本振興銀行の定期預金の2倍を超える
利回りを、将来に向かって日本国民に約束
しているのである。
日本における年金制度は、高度成長期に
信じられていたように「4%程度の保険料
で老後生活の支えができる」ものでは
ありえなかったのだ。
実際には、保険料率を20%とか30%に
しなければ支えることができないもの
だったのである。
虚偽広告を用いての勧誘は犯罪行為
だが、何が虚偽広告かと言って、これ以上
の虚偽は考えられない。
日本国民は、本当は20%の保険料が必要
である制度を「4%で十分」という勧誘に
引っかかって受け入れた。
そして、1970年代の初め、「福祉元年」
のかけ声に乗って、社会保障制度の大幅な
拡充を受け入れた。
重要な点なので繰り返し述べるが、年金
財政の逼迫は、高齢化が予想を超えて進展
したために生じたのではない。
実際の人口高齢化が高度成長期に想定
されていたより進展したことは、事実
である。
しかし、すでに具体的な数字で示した
ように、この誤差は、支給開始年齢を
60歳から65歳に引き上げたことで、ほぼ
埋められる程度のものである。
年金財政逼迫の基本的な原因は、
「20%の保険料率が必要な制度を4%で
運営できる」と誤解してしまったことに
あるのだ。
言うまでもないことだが、公的年金
制度は、個人の老後生活を支えるための
基本的な制度である。
またその規模の巨大さのため、国の財政
に甚大な影響を及ぼす制度である。
だから、その設計に当たっては、細心の
上にも細心の注意を払う必要があった。
かくも重要な制度が、かくも杜撰な考え
に基づいて設計され、出発してしまった
のだ。
それは、日本にとって取り返しの
つかない誤りであった。
そして、それがもたらしたものは、
いまや解決が不可能な巨大な悲劇である。
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驚くべき話です。
開いた口がふさがらない。
>2009年度財政検証においては、
>基本ケースとして、賃金上昇率2.5%、
>積立金の運用利回り4.1%が想定されて
>いる。
>運用利回りが賃金上昇率よりこれほど
>高い値になるのは、ありえないことで
>ある。
素人でもそう思います。
>日本における年金制度は、高度成長期に
>信じられていたように「4%程度の保険料
>で老後生活の支えができる」ものでは
>ありえなかったのだ。
>実際には、保険料率を20%とか30%に
>しなければ支えることができないもの
>だったのである。
>虚偽広告を用いての勧誘は犯罪行為
>だが、何が虚偽広告かと言って、これ以上
>の虚偽は考えられない。
なんともひどい話です。
責任をとる人がいない。
無責任でよい。
だからそうなる。
こんな仮定で正しいと誰が
判定したのでしょうか?
人口推計でもそうですが、
あまりにいい加減。
あきれ果ててしまう。
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