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2010年9月10日 (金)

世界最高分解能のスピン分解光電子分光装置の開発に成功

世界最高分解能のスピン分解光電子分光装置
の開発に成功
―磁石の素になる電子のスピンを直接観測―

平成22年9月6日
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
科学技術振興機構(JST)

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
の高橋 隆 教授と相馬 清吾 助教らの研究
グループは、世界最高の分解能で、物質の
電子状態をスピン注1)にまで分解して測定
できる「超高分解能スピン分解光電子分光
装置」(図1、図2)の開発に成功しました。

 開発されたスピン分解光電子分光装置を
用いることで、巨大磁気抵抗効果注2)
や量子スピンホール効果注3)などの、
電子のスピンが引き起こす様々な物質現象
の解明が進み、次世代超高速・超低消費
電力素子として注目されるスピントロニクス
デバイス等の開発が大きく進展するものと
期待されます。

 本研究グループは、モット散乱された電子
を広い立体角で集める機構を考案し、また
光電子を検出する2次元エネルギー分析器
を高効率化するなどして、装置全体の電子
検出効率を格段に上げることで、世界最高
のエネルギー分解能8meVでのスピン分解
光電子分光測定を可能としました。

 これは従来の分解能に比べ10倍以上の
向上で、これまでの装置では観測することの
できなかった、物質の機能発現に直接関わる
微細なスピン分解電子状態の測定が可能と
なります(図5)。

 開発された装置を用いることで、物質中の
電子1個ずつについて、そのスピンの向きや
大きさを、非常に高いエネルギー分解能を
用いて測定できます。
 その結果、これまでは観測ができなかった
様々な機能性物質のスピン分解電子状態の
精密な決定が可能となり、電子のスピンが
引き起こす様々な物質現象の解明が急速に
進展するものと期待されます。

 次世代の超低消費電力素子であるスピン
トロ二クスは、まさに電子のスピンそのもの
を利用します。

 物質中をこれまでの電子素子のように
電子を流すのではなく、電子のスピンを
伝搬させて情報を伝達させます。
 従って、電子のスピンの情報はスピン
トロ二クスにおいては不可欠です。
 この点についても、今回開発された装置は
大きな貢献が期待されます。
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難しいですね。でも、
>物質中の電子1個ずつについて、その
>スピンの向きや大きさを、非常に高い
>エネルギー分解能を用いて測定できます
という事実は、大きな進展のように思えます。

この記事の中に出てくる。巨大磁気抵抗効果
については、
>巨大磁気抵抗効果を応用した磁気ヘッドの
>登場によって、HDDの容量が飛躍的に増大
>した。
>グリューンベルクとフェールトはこの発見
>によって、2007年のノーベル物理学賞を
>受賞している。
ほどの発見で、このことのさらなる解明が
進むことになります。

というか、これからは「スピントロニクス」
の時代で、この詳細が解明されていくことは
これからのデバイス開発に大きな影響がある
ものと思われます。

関連リンクです。
スピントロニクス

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