名古屋議定書:遺伝資源の利益配分、当事者に一任 「原産国と利用国で」◇国連作業部会
名古屋議定書:遺伝資源の利益配分、
当事者に一任 「原産国と利用国で」
◇国連作業部会
毎日新聞 2010年9月21日 東京朝刊
詳細は、リンクを参照して下さい。
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【モントリオール足立旬子】国連生物
多様性条約の特別作業部会は20日、
「遺伝資源」と呼ばれる微生物や動植物から
開発された食品や医薬品の利益を、原産国に
公平配分するルールを協議した。
利益配分の適用範囲について、利用国の
企業と原産国側の当事者間で決めることで
大筋一致した。
この項目は、国際社会が10月の採択を
目指す「名古屋議定書」の主要争点で、
採択という目標へは一歩前進だが、現場に
委ねたことは事実上結論を先送りした
格好だ。
適用範囲の対象物は「派生物」と呼ばれて
いる。
化学合成や遺伝子組み換え技術などで
新たに作られた「たんぱく質」などが想定
されている。
たとえば、インフルエンザ治療薬
「タミフル」は、中華料理で使う植物
「八角」から抽出された成分に手を加えた
分子をもとに開発された。
タミフルの生産で八角は直接使われて
いないが、八角がヒントになっている。
原産国となることが多い途上国は
「派生物を利用して得られた利益も配分の
対象にすべきではないか」と主張。
この意向を反映し、議定書の原案には
随所に派生物という用語が盛り込まれた。
これに対し、遺伝資源を利用する
先進国側は「要求に際限がなくなる」と
反発。
派生物の対象が多岐にわたることも
あって、交渉は混乱した。
途上国は要求するだけでは最終的に
利益還元を受ける機会も逸しかねない
として態度を軟化。
各国は議定書原案から「派生物」という
用語を削除する代わりに「遺伝資源の利用」
という項目を設け、企業と原産国が相互に
同意する条件で契約を交わすことを義務
付けることでほぼ一致した。
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生物多様性に関わることがらには
いろいろなことがあるのですね。
「遺伝資源の利用」
「原産国に公平配分するルール」ね~
難しい問題ですね。
原産国といっても、たまたまそこに存在
したというだけで、そこにいた人間が
作ったわけではない。
むしろ、破壊してきたのが人間なのに、、
と思いますが、石油と同じで、原産国の
ものということになるのかな?
先進国と途上国とのバトルです。
確かに、
>「最終合意にいたるかは予断を
>許さない」との見方が多い。
でしょうね。
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