保護司受難―「公」担う人々を支えよう
保護司受難―「公」担う人々を支えよう
2010年08月13日 朝日新聞「社説」より
---------------------------------------
茨城県で活動する保護司の自宅が先月、
放火で全焼した。
火をつけたのは14歳の少年。
2年前に別の放火容疑で補導され、この
保護司が立ち直りの手助けをしているところ
だった。
何とも痛ましい事件だ。
少年は保護司を支えとして頼りにする一方
で、社会や学校になじめず「少年院に戻り
たい」と漏らしていたという。
担当している相手から、時に暴言を浴びせ
られるなど嫌な思いをすることもある。
しかし今回のような深刻な被害に至る例は
ほとんどないという。
出所者らにとって保護司は命綱で、
「保護司さんを裏切ってはいけない」という
のが大方の声だと聞く。
こうした認識を社会全体でも共有したい。
驚くのは、家を失った保護司に対し国に
よる被害回復策がないことだ。
労災制度はあっても、財産被害には適用
されないという。
たしかに法律の定めを超えて税金を使う
わけにはいかないし、一般の公務員や犯罪
被害者への支援策との均衡も考えなければ
ならないといった事情は分かる。
だが、できない理屈をただ並べてみても、
多くの人は得心しないだろう。
保護司は無給のボランティアで、国から
は実費相当のお金が支払われるだけだ。
それでも保護観察の対象者を家に出入り
させ、食卓を一緒に囲む人も少なくない。
公のために働き、自宅まで開放するのに、
補償はない――。
これでは不安と不信を招き、制度の存立
を揺るがす事態にもなりかねない。
損害保険の導入など、万一に備えた対策
をとるのは政府の責務ではないか。
---------------------------------------
いつもながら政府の対応にはあきれて
しまう。
>保護司は無給のボランティアで、国から
>は実費相当のお金が支払われるだけだ。
>公のために働き、自宅まで開放するのに、
>補償はない――。
>これでは不安と不信を招き、制度の存立
>を揺るがす事態にもなりかねない。
>できない理屈をただ並べてみても、多くの
>人は得心しないだろう。
>損害保険の導入など、万一に備えた対策
>をとるのは政府の責務ではないか。
こんな状況では私も保護司に、と言われたら
考えてしまう。
更正施設を開設しようとすることに
さえ反対する住民が多数いる状況。
もっと考えてください。
更正させるために政府がなすべきこと
とは?
難題です。だからこそ真剣に、先進諸国も
見習って。
| 固定リンク
「経済・政治・国際ニュース」カテゴリの記事
- ウミガメの99%がメスに! 豪で深刻、海水温の上昇(2018.01.20)
- 涙を誘う、餓死寸前のホッキョクグマ 温暖化の影響(2018.01.19)
- 氷山の一角から見えてきたもの -日本の研究力を維持するために-(2017.09.02)
- 死の熱波の脅威 80年後に人類の4分の3が直面(2017.07.02)
- 原発処理費用、22兆円のウソとそのワケ(2017.04.28)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント