「味覚センサー」を開発して味の数値化に成功した 都甲潔さん
「味覚センサー」を開発して味の数値化に
成功した 都甲潔さん
2010年08月04日 朝日新聞「ひと」欄より
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プリンにしょうゆをかければウニの味。
イカの塩辛に生クリームならショート
ケーキ。
では、牛乳に刻んだたくあんを混ぜると?
「コーンスープです。
これ、一番の自信作」
甘み、うまみ、酸味、苦み、塩味を
数値化する「味覚センサー」を20年かけて
開発した。
すべての数値が一致すれば、味はそっくり
に。「錬金術ならぬ錬味術」と称す。
九州大大学院教授で、舌の細胞を覆う
生体膜の研究者。
助手時代、脂質で作った膜に苦みの違う
水溶液をたらすと、生じる電圧が変化した。
脂質の種類や比率を変え、酸味やうまみを
測る膜も作り出した。
味のもとになる化学物質は数十万種類
あり、測定不能とされていた。
「主観頼みだった世界に、客観的な
ものさしができた」と評される。
センサーは食品メーカーを中心に売れ筋の
分析などに使われる。
嫌いなニンジンの食べ方を考えたのが研究
のきっかけ。
興味の的は人間で、「技術の前に人あり。
人を幸せにする技術を」がモットーだ。
味は科学的アプローチで食文化に迫れる
から面白い。
人と機械の調和に貢献した研究者に
贈られるオムロンの第1回「立石賞」を
5月に受賞した。
「僕にぴったりの賞。一番うれしい」
これまでの失敗作は、納豆+チョコレート。
水あめのはずが最低だった。
舌触り、歯ごたえ、におい。
味は奥深い。五感センサーが次の課題だ。
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面白いですね。
研究には客観性と数値化が欠かせません。
味覚を数値化する。すごいことです。
五感センサーが次の課題だ。そうです。
がんばってください。
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