創業以来約40年間平均40%近い経常利益率を誇るエーワン精密
創業以来約40年間平均40%近い経常利益率
を誇るエーワン精密
2010/08/09 Alrernative Blog
詳細は、リンクを参照して下さい。
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少し前に、カンブリア宮殿で紹介された
ので、見られた方も多いと思うが、現時点
で、創業から40年近く平均経常利益率が
40%弱といった驚異的な業績を残している
企業がある。
山梨県のエーワン精密だ。
過去経常利益率50%を出したことも
あり、さすがに、リーマンショックのときは、
売上35%ダウンしたそうだが、それでも
22%の経常利益は出していたというから
驚かされる。
梅原創業経営者のお話は、中小企業に
おける経営についての本質が詰まっており、
勉強させられた。
以下、私なりに、エーワン精密の経営の
特徴を8点に整理してみた。
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1.時代を読み、あいまいな中で先手先手の
決断と実行
「旋盤、小型自動盤こんな機械が出て
きたら・・」と、1961年の当時に思い、
「このままでは、職人ではダメになる。
機械の時代だな~」である。
そのため、「自分の給料を下げてもいい
から、自動盤をやらせてくれ!」と当時の
勤めていた会社の社長に懇願したという。
そして、自動盤を取り扱うようになると、
機械メーカーが、当時供給していた技術屋
が設計したものは、使いづらく値段が高い
と感じたそうだ。
そこで、「いいものを、安く早く売れば
いい」と思ったという。
「CAMの供給元として独立すると、脇の
甘い機械メーカーに勝てる」と思い立ち、
直ぐに1965年会社実兄とともに設立した。
次に、CAMの次はNCだと感じると、当時、
500万で住宅が経つ時代に2000万した機械を
入れる過程で、実兄と意見が合わず一緒に
経営していた会社を出て独立する。
さらに、時代とともに、コレットチャック
にシフトしていくことになる。
まさに、先手先手の決断・実行だ!
梅原創業経営者は、
「何か大きなものに取り組むとき、準備が
整ってからなんていうと、まず、うまく
いかない。やれることを先にやる!」こと
が重要だとおっしゃる。
また、新事業に進出するときの留意点は
3つあり、
1.世の中に必要であるかどうか?
2.やりようによって利益が出せるか?
3.万に一つでも業界のトップになれる
可能性があるか?
そして、新事業へのタイミングとしては、
今行っている事業が好調なときだと言われる。
その理由は、リスクマネジメントの観点
からであり、社員とその家族を守るといった
ことが経営者としての義務であると考えて
いるからである。
「経営者が失敗して、裸になるのは自分の
責任でやるので仕方が無いが、社員とその
家族を路頭に迷わすようなことはできない。
簡単にリストラをやるような経営者は、
軽蔑すると言われ、社員が何人かいたら
一か八かはダメ!」だと一刀両断だ。
耳の痛い経営者も多いのだはないか。
一方、数年毎に繰り返される好況不況時の
対応については、不況期の方に積極的に
打って出ている。
理由は、「好況のときは自分達の会社も
忙しいので、他社との差別化は図れない。
また、不況期の方が、設備の更新などは、
今のオーバーホールや設備投資も安く済む。
実際、現在、新工場を建てているが、
これも不況の時だから投資している。
人の確保においても、優秀な人材を採用
しやすい。
逆に、景気が良く忙しいときは、優秀な
人材は大手に持っていかれて」とおっしゃる。
当然、不況なときに投資ができるのは、
好況のときに蓄えを持っているからであり、
エーワン精密は、好況のときもコストダウン
の努力をつづけている。
そして、好況と不況の凝り返しを読み、
経営者が先まわりして手を打っているので
ある。
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2.価格競争はしない。顧客価値競争をする。
「いい品物は、安く、早く!と言われて
るが、いい品物は当たり前であるが、安易に、
値下げをすることはよくない。
多くの会社は、安い価格に偏りすぎている
が、エーワン精密は、値下げをしたことが
ない。その代わり、お客様のニーズである
“早く”を実現し、他社が7日掛かるところ
を1日で納入している。
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3.役職や部門に拘らず、お客様に合わせて
柔軟な組織体制にする。
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4.徹底的にコストを抑えている。
無駄な社員や役員を置かないといった方針
である。
また、間接部門は上場企業では珍しい2人
で運営されている。
それも、パートの女性だけというから驚か
される。
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5.従業員を大切にし、モチベーションを高めている。
夏の賞与を従業員に平均で400万出した
こともあるそうだ。
その頃から今に至るまで、利益が出たら、
従業員に還元している。
当然、同業よりも平均給与は高い。
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6.経営者がやっていることを見せることで
社員は育つ。
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7.自ら早目にリタイアし、同族に拘らず
後継者に経営を譲る。
前に進むエネルギーがある若い人の方が
いい。
衰えてきたら、早目に引く方がいいと
いった判断である。
「他人に思い切って継がしたのは、子供
だったら3人しかいないが、他人だと無尽蔵
にいるからだ。
たくさんいると、自分の息子より適任が
必ずいる。」とおしゃる。
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8.経営者は、目に見える仕事と目に見え
ない仕事をする。
社長、役員だといっても、見える仕事も
やる。
しかし、経営者の本当の仕事は、頭の中の
見えない仕事をやることだとおっしゃる。
体と頭が違う動きをしているのが役員だと
いう。
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すごいですね。
まったくもってごもっとも。
言うは易く、行うは難し!
というところですね。
ホンダ工業の本田さんもそうでしたが、
跡継ぎは同族に任せなかった。
これは、出来そうで出来ない。
先手を打つというのも、難しい。
自ら早目にリタイアというのも難しい。
上手くいっていればいるほど、リタイヤ
できない。
本田さんは実行しましたね。
「途中までいつもの通り通勤、そうだ、
引退したんだ! と、途中で気がついて、
戻ったという逸話がありますね。
ワンマン企業でないと出来ないことでは
ないだろうか?
少なくとも、大企業では無理。
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