1年ぶりのベルリンで、日本の心臓外科の将来を憂う
1年ぶりのベルリンで、日本の心臓外科の
将来を憂う
2010. 8. 6 日経メディカルONLINE
日経メディカルブログ:
昭和大心臓外科「手取屋教授の独り言」
詳細は、リンクを参照して下さい。
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さて、弁置換の領域に新しい風をもたらし、
心臓外科の足元を脅かしているのが、TAVI
(transcatheter aortic valve implantation)
という手技です。
カテーテルを使って機能の低下した
大動脈弁を壊し、代わりの人工弁を押し込む
もので、開胸手術を伴いません。
侵襲性が低い重症患者にも適用できるこの
術式は欧米を中心に広がっており、ここ数年、
学会でもその成績発表が目立っています。
今年の学会では既に、治療概念の見直し
やフィードバックが話題になりました。
日本では最近ようやく、3施設でTAVIの
治験が始まりました。
ただし、そのうち2施設では、循環器
内科医の主導で治験が行われていると聞いて
います。
その旨を彼に説明すると、「大丈夫?米国
みたいなことにならないといいけどねぇ」
と心配され、器材を提供している企業にも
少々問題があることを示唆されました。
いずれにせよ、この術式に関してもまた、
いつもの通り日本は後発です。
循環器内科、麻酔科、心臓外科による学会
レベルでTAVIに関する委員会を設立し、
欧州のように基準を設け、細かくフィード
バックしながら普及に取り組む必要性を強く
感じます。
それにしても、TAVIは欧州では既に4年前
から始まっており、世界で2万件以上の実績
がある治療です。
それがまだ治験段階とは…。
世界最新のフェラーリはすぐに手に入る
のに、世界標準になりつつある治療法が
公的にはまだ認められていないとは、不思議
な国です。
デバイスラグによって臨床の
アクティビティーが制限されっ放しなのは、
MICSだけに限りません。
責任回避を何より重んじるこの国の厚労
行政がもたらす弊害を改めて実感しながら、
物悲しさと寂しさに唇を噛んだ学会でした。
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厚労行政の貧困なことは、いつもながら
というところですが、
どうして医師が積極的に動かないので
しょうか?
動いているのだけれど、一般国民には見え
ないだけということでしょうか?
医師会とか、いろいろな学会は医師の利害
を目的とした動きのみで、国民の為には
何もしない?
言い過ぎですか?
実態はどうなのでしょう?
>世界標準になりつつある治療法が
>公的にはまだ認められていないとは、
>不思議な国です。
同感です。言っている状況はわかりました。
他の分野の医師達からも同様の意見がある
ようです。
今の状況はわかりましたが、
最もそのことをご存じの医師が真っ先に
動かなければ一般国民はどうすれば良い
のでしょう?
医師の愚痴にしか聞こえないのですが、
誰が、どう動けば、このおかしな状態から
変われるのでしょうか?
一般国民としてはやりきれません。
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