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2010年8月 5日 (木)

「清き0.9票」喜劇が悲劇に変わる

「清き0.9票」喜劇が悲劇に変わる
なぜ民主党より少ない票で自民党は圧勝したのか

蛯谷 敏(日経ビジネス記者)
2010年8月5日(木) 日経ビジネスONLINE

詳細は、リンクを参照して下さい。

有権者の1票の価値が地域によって異なる、
いわゆる「1票の格差」を巡る問題。
日本で60年以上続くこの事態を違憲として、
昨年、訴訟を起こしたのが、升永英俊弁護士
である。
青色発光ダイオード訴訟の裁判で、一躍名
を馳せた人物だ。

昨年7月に、著名な法曹関係者・企業経営者
らと共に「一人一票実現国民会議」を立ち
上げた。
「生涯の仕事」と位置づける升永弁護士に、
自民党の勝利で終わった参院選を振り返り
ながら、その意義を改めて聞いた。

(聞き手は蛯谷敏=日経ビジネス記者)

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升永 これはね、1票の格差ではなくて、
「住所による選挙権の差別」です。
 こんな住所による差別の仕組みがあっては
ならない。

 民主主義の本質は、国民の多数決です。
 最大多数の最大幸福です。
 本来、一人ひとりが投じた票が同じ価値
でなければ、多数決は成立しません。

 ところが、今の住所による1票の差別では、
少数の有権者が多数の国会議員を選んで
しまいます。まさに少数決です。

 今回の参議院選挙区での最大の格差は、
神奈川県と鳥取県の間の5.01倍でした。
 つまり、神奈川県の有権者は、鳥取を
1票とすると0.2票ということです。


民主党より少ない票で圧勝した自民党の不思議

 全選挙区での総得票数と議席数を比べると、
少数の人口が多数の国会議員を選出している
結果が如実に表れています。

 民主党は、2270万票で28議席を獲得した
一方、39議席を獲得した自民党は、約1950
万票にすぎませんでした。

 選挙区でも比例区でも民主党を下回る票
しか集められなかった自民党が、議員の当選
者数では、勝っているわけです。
これは、明らかに1票の不平等ですよ。

 「正の代議制」ではなく、「負の代議制」
と言い換えてもいい。
 少数の人口が多数の国会議員を選ぶの
ですから。
 民主主義国家であってはならないことが、
この日本で起きているのです。

 もちろん、私たちは民主党のためにこの
ような主張をしている訳ではありません。
 民主党が大勝した昨年の衆院選挙でも、
違憲訴訟を提起しています。

 昨年の衆院選でも、訴訟を起こしました
が、前回は高知3区の有権者1票に対して、
政令指定都市などの有権者は0.4~0.6の
投票権しか持っていませんでした。
 今回の参院選はさらにひどい。
 私は皮肉をこめて「清き0.9票」と呼んで
います。

 ―― とはいえ、この問題に対する疑問
の声は国会議員からはあがりませんね。

 国会議員は、現行の一票の不平等を前提と
する公職選挙法によって当選した人々です。
 今の公職選挙法が憲法違反で無効となって
しまうと、国会議員の地位を失います。

 まさに、国会議員は、利害関係者なんですよ。
 そんな利害関係者である国会議員に1人1票を
実現する声を上げるよう期待してもムダです。

「民主主義国家」という思い込み

 今の日本では、住所によって選挙権は
差別され、1票未満しかもってない人が
多数います。
 そのため、人口の少数が多数の国会議員
を選んでしまいます。
 そして国会議員の多数決で、立法、行政
が支配されます。

 これでは、日本は、真の民主主義国家とは
言えません。
 人口の少数の人々の意見で国が動いている
からです。

 日本人は、ほぼ全員「清き1票」と思って
真面目に投票しています。
 そして、日本人は、国会議員の多数決で
立法、行政、司法の3権が支配されるので、
日本は、民主主義国家だ、と思い込んで
いる。

 これは喜劇です。
 日本人全員がこの喜劇に気が付かないまま
に、喜劇を演じ続けているのです。
 私も、自分も含めて日本人全員が喜劇を
演じていることに気付いたのは、つい10日
ほど前のことでした。

 しかし、30年後にこの喜劇が行き着く先
は、間違いなく悲劇です。
 少数の人口が立法、行政、司法を支配する
ような国が、世界市場の中で、競争相手国に
伍してゆけるわけがありません。
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前にも投稿しましたが、やはりこの件は
大きな問題のように思えます。

民主主義国家のはずが、そうではなかった
という事実。

このことに気づかないといけない。

よく考えて欲しい。
このままで良いのか?

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