失明もあるベーチェット病、発症は遺伝子変異
失明もあるベーチェット病、発症は遺伝子
変異
2010年7月14日21時51分 読売新聞
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横浜市立大や北大などの研究チームは14日、
目や皮膚などに炎症を引き起こし、失明する
こともある難病「ベーチェット病」の発症に
関係する遺伝子を突きとめたと発表した。
治療薬開発に道を開く成果で、科学誌
「ネイチャー・ジェネティクス」電子版に
発表した。
ベーチェット病は自己免疫疾患の一つで、
国内には約1万5000人(2002年)の
患者がいる。
研究チームは、患者612人と健常者
740人のゲノム(全遺伝情報)を、
約50万か所に及ぶ「SNP(スニップ)」
(1塩基の違い)に着目して比較した。
その結果、患者では、過剰な免疫反応を
抑える生理活性物質「インターロイキン
(IL)10」や、免疫反応を制御する
スイッチ(IL23R、IL12RB2)
の遺伝子変異が多くみられた。
これらの遺伝子変異によって、免疫反応の
ブレーキがかからず、症状が出ると見られる。
ベーチェット病は、中東や東アジアなどの
北緯30度~45度付近に住む人々に患者が
多い。今回もトルコ人、韓国人の患者でも
同様の結果が得られた。
研究チームの大野重昭特任教授は、
「治療薬開発につながる成果。
近い将来、この病気による失明がなくなる
かもしれない」と話している。
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殆どの難病は遺伝子異常に起因する
と言って良いようですね。
発症に関わる遺伝子変異を特定できたとの
ことです。
遺伝子解析の技術が進み、安価に解析出来
るようになったことが大きいと思います。
これからも、どんどん解析が進み原因が
特定されて難病が難病でなくなる日が
一日も早く来ることを願っています。
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