細胞情報伝達タンパク質を標的とした新規薬剤の作用機構を解明
細胞情報伝達タンパク質を標的とした新規
薬剤の作用機構を解明
-血栓の予防、抗腫瘍化作用へ期待-
平成22年7月13日
国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
詳細は、リンクを参照して下さい。
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動物の体の中でホルモンや神経伝達物質が
細胞に働きかけると、血管が収縮したり、
神経細胞が興奮したり、血小板が凝集して
血が固まったりと様々な応答が起こります。
このさいに細胞外のシグナル(信号)を
細胞内へ伝達する分子として細胞膜にある
「Gタンパク質※1」は極めて大事な役割を
果たしています。
奈良先端科学技術大学院大学バイオ
サイエンス研究科の伊東広教授らのグループ
は、Gタンパク質に結合することで、シグナル
の伝達を遮断する低分子化合物の立体構造と
作用機構を世界で初めて明らかにしました。
過剰なホルモン・神経伝達物質などにより
起きる病気や、調節が効かなくなった腫瘍
などの病気に対する新たな治療薬の開発への
ブレークスルーになるとともに、Gタンパク質
の活性化機構をひも解く上でも大変重要な
情報を提供します。
この成果は、7月12日(月)から7月16日
(金)までのいずかの日に、米国科学
アカデミー紀要(PNAS)の電子版に掲載
されます。
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難しいですね。
「Gタンパク質に結合することで、シグナル
の伝達を遮断する低分子化合物の立体構造と
作用機構が明らかになった」結果。
1.Gタンパク質に選択性を持った新たな
低分子化合物の設計も可能
2.それぞれのGタンパク質が異なる
シグナル伝達システムを動かして様々
な細胞機能を調節していることから、
創薬や研究ツールの開発へのランド
マークになる
3.眼のブドウ膜メラノーマや脳の下垂体
腫瘍などでGタンパク質の変異が見出さ
れている。これはGタンパク質が細胞外
の刺激がなくても常にオンになって
しまうことで起こる。YM-254890はこの
ような活性型変異体に対しても抑制作用
を示すことから抗腫瘍剤の開発にも発展
する可能性も期待される。
ということで、なかなか重要な研究成果
らしいです。
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