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2010年7月 8日 (木)

「体内時計」が解き明かす生命の本質

「体内時計」が解き明かす生命の本質
2010年7月8日 日経ビジネスONLINE

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 生命の本質を解き明かす可能性を秘めた
研究で、世界をリードする研究者が日本に
いる。「体内時計」の研究の第一人者として
知られる、理化学研究所の上田泰己
プロジェクトリーダー(34)である。

 体内時計といっても、目に見えるメカ
ニズムが時を刻んでいるわけではない。
 脳の中心部にある視交叉上核(しこう
さじょうかく)と呼ばれる神経細胞の集合
体などが、遺伝子レベルで一定のリズムを
刻んでいるものだ。

 この体内時計のリズムが正確に刻まれる
ことで、昼間に活動し、夜に眠るという人間
の生活サイクルが、約24時間周期で繰り返さ
れる。人の睡眠や血圧、体温の変動、
ホルモン分泌なども、体内時計の「時刻」
に沿って制御されている。

 この体内時計の研究で先頭を走る上田氏
は、大学の教授職に相当する理研のチーム
リーダーに、大学院生だった27歳の若さで
抜擢された異才である。
 東京大学医学部に現役で入学したが、早く
も学生時代に現代医療の限界を感じ取ったのが
生命科学の道に進んだきっかけだった。

 上田氏は現代医学に対する疑問を抱いた
のだという。
 「1つの細胞だけでも大量の分子や遺伝子
などで構成されている。
 それなのに、なぜ医師は人体のような複雑
なものを相手にできるのか」。

 部分最適ではなく、生命というシステム
全体を捉えて考え、病気の原因やその根本的
な治療法を開発する道があるはずだ──。
 そう考えた上田氏は、現代医療の限界を
感じ取り、生命科学者の道を歩み始めた。

 上田氏は理研のチームリーダーに抜擢
されてからも、次々に実績を残している。
 その1つが、「分子時刻法」と呼ばれる
体内時刻の測定法の開発だ。

 従来は体内時計の状態を知るために、体内
にあるメラトニンなどの物質を数時間おきに
24時間態勢で2日間連続して測定し、体内
時計の周期を追いかける必要があった。
 上田氏は、遺伝子の濃度の変化を測定する
だけで済む方法を発見したのだ。

 また2007年には、夜更かしを続けると体内
時計が狂って不眠などになる「シンギュ
ラリティ現象」を、世界で初めて近畿大学
などのチームと共同で解明した。
 真夜中に強い光を浴びると、体内時計の
リズムを刻む神経細胞の働きがバラバラに
なるのだという。

 「体内時計のリズムが、分子や細胞と
いったスケールが異なるものに及ぼす影響
を解明できれば、心因性の病気の原因究明
や治療法の開発につながる」と、上田氏は
期待する。
 体内の特定の酵素の働きを制御することで
理論的には時差ぼけをリセットしたり、朝の
目覚めがよくない人の生活周期を修正したり
できる薬を作れるという。

 体内の時刻を把握できれば、体温や血圧、
分泌されるホルモンの量に合わせて、薬を
投与するタイミングや量を決めたりもできる。
 薬剤の中には、患者の体内のリズムを基に
投与量を調整することで副作用が減らせたり、
その効果を最大限に発揮できたりするものも
ある。従来型の医薬品の潜在力を引き出す
こともできるわけだ。

 体内時計は人体の老化現象や寿命、気分
とも密接に関わっている。
 例えば、人は年末にかけて病気にかかり
やすくなり、気分が落ち込んだりもする。
 逆に春になって暖かくなれば、元気に
なったりする。
 「気分と季節の関係を解き明かすのに、
体内時計の研究が応用できるのではないか」
と、上田氏は言う。

 「現代医学を学んで患者に適用することは
確かに重要だが、そこには限界があると思う。

 新しい技術と発想を取り込むことで、医学
の限界を超えていくことに関心がある」と、
上田氏は言う。
 新たな地平を開くには、まったく新しい
発想が求められるのだ。

 「僕は時間を理解したいと思っているん
です」。そう語る上田氏の好奇心と研究の
成果は、生命の本質をも解き明かし、医療
のパラダイムシフトを加速させる可能性を
秘めている。
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>部分最適ではなく、生命というシステム
>全体を捉えて考え、病気の原因やその
>根本的な治療法を開発する道があるはずだ
そうですね。私もそう思います。

体内時計が人の命というシステムに、どの位
深く関わっているのでしょうか?
なかなか興味深い題材です。

春になると確かになんとなく希望が湧いて
きます。これも体内時計と関係があるので
しょうか?

思っても見なかった発見があるかも知れま
せん。
研究者として心ときめくところですね。

期待しています。

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