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2010年7月17日 (土)

大先輩の“生の言葉”の重み

大先輩の“生の言葉”の重み
2010. 7. 14 日経メディカルブログ
津久井宏行の
「アメリカ視点、日本マインド」

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 人生の大先輩から、学ぶべきことは非常に
多い。私は、大先輩と話をする機会を積極的
に探すようにしている。

 そして、その機会が得られたときには、
変な遠慮はせず、“懐に入っていく”ような
気持ちで、率直に意見を聞くようにしている。

 後輩にも、ぜひそうするように勧めている
が、多くは尻込みしてしまい、なかなか実行
に移せないようだ。

 今回は、大先輩から話を聞くことが、
いかに興味深いものであるか、私の経験を
示したい。

 先日、東京女子医大心臓血管外科、循環器
内科、小児循環器科の同門会が、合同で
「榊原仟先生生誕100年記念祝賀会」を開催
した。

 祝賀会は盛況のうちに終了。
 その後、反省会と称して、本会を主催
された先生方と膝を交じえてお話する機会
を得た。

 隣には元東京慈恵会医大教授の新井達太
先生。

 私は研修医のころ、新井先生が書かれた
『心疾患の診断と手術』という教科書を、
当直しながら読んだものだった(ときには
枕代わりになっていた気もするが…)。

 その新井先生とお話しできるということで
少々緊張しながら、「新井先生は、今まで
心臓外科医として大事にしてきたことは何
ですか?」とお聞きした。

 抽象的で答えにくい質問であったにも
かかわらず、新井先生は次のようにお答え
になった。

 「これは榊原先生も常々、おっしゃって
いたことだけれど、『病気は、医者が治す
ものではなく、患者が自分で治すもので
あって、われわれはそれを少しだけ、
お手伝いするだけの仕事なんだ』という
ことを、いつも心掛けることでしょうか。

 ときとして、『自分が患者を治したのだ』
と思ったり、周りからそのように賞賛される
ことがあるかもしれないが、そんなときこそ、
自分をしっかり戒めないといけないのです」

 非常に謙虚なお答えに感動しながら、
さらにいろいろなお話をうかがった。
 びっくりしたのは、新井先生がこの4月
からギリシャ語の勉強を始められたという
こと。

 「医者は、本業以外にも何か勉強し続け
なければダメだよ」とアドバイスをいただき、
つくづく「私の同門には、すごい先生が
いらっしゃるものだ」と感服した次第だ。


 もう一人の大先輩は、ベルリンで開催
された第13回国際低侵襲心臓外科学会
(ISMICS)の「International Fellows and
Residents Luncheon」のセッションに、
アドバイザーとして同席してくださった
James Cox先生。

 Cox先生は、心房細動に対するMaze手術を
考案した偉大な心臓外科医。

 Cox先生の下に留学した外科医は100人以上
に上り、日本からも多くの先生方が留学して
いる。たまたまCox先生の隣に座った私は、
先生の息遣いを感じながらお話を伺った。

 「ともすると若い外科医は、手術を数多く
こなすことばかり考えがちだ。
 技術はもちろん大切だが、もっと大切
なのは、何を学びたいのか、そして、それを
誰から学びたいのかを、はっきりさせる
ことだ」

 いずれも、偉大な先生のすぐそばで、直接、
話を伺えたのが何よりの収穫だった。
 偉大な仕事を成し遂げてきた先生たちは、
近付くと何とも表現のしようのない
「存在感」と「オーラ」がある。
 そして、自身の体験に基づいた言葉には
説得力がある。

 今後も、偉大な先生方にできるだけ多く
お会いして勉強したいと思う。
 若手の先生方も、臆することなく、ぜひ
大先輩に学んでほしい。
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そうですね。

>偉大な仕事を成し遂げてきた先生たちの
>自身の体験に基づいた言葉には説得力
>がある。
そう思います。

謙虚に学ぶ姿勢が大切ですね。

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