気管切開、声を失い、それでも歌う声楽家 青野浩美さん
気管切開、声を失い、それでも歌う声楽家
青野浩美さん
2010/6/24 朝日新聞「ひと」欄より
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ボーイソプラノを思わせる澄んだ「アベ
・マリア」が隅々にまで響いていく。
夏の高い空を泳ぐカモメのように、
力強く、伸びやかに。
息継ぎのとき、わずかに苦しげになった。
そののどには親指ほどの穴が開き、空気を
送る管が付いている。
関西弁でくったくなく笑った。「気管切開
したら、きれいな声に生まれ変わると
思ったんやけど」
京都の女子大で声楽を専攻していた3年
半前、原因不明の病気にかかり、車いすの
生活に。
翌夏、今度は無呼吸発作に見舞われた。
気管切開し、人工呼吸器を使わなければ
命が危ない。
しかし、元の声は失われる。
「歩かれへんうえに声まで?」。
半年、泣いた。
踏ん切りをつけてくれたのは、命あって
こその歌という友の言葉。
手術してのどに器具を付けた。
1週間かけて出した声は、懐かしかった。
希望がわいた。
「歌うなんて聞いたことがない」と言う
医者に、「前例がないだけやろ」と言い返
した。
息継ぎを増やし、器具に工夫を凝らし、
1年かけて自分の声を追い続けた。
苦悩から救われるために祈る歌曲を
口ずさみ続けた。
音楽講師の母の影響で、歌は生活の一部
だった。
ただ好きだから歌っているのに、今「勇気
をもらった」と言ってくれるひとがいる。
26日、横浜で開くコンサートのタイトル
は「PRECEDENTE」(イタリア語で
前例)。
自分が前例になる、という強い意志を
込めた
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それでも歌う!
すごいことだと思います。
人は弱い、けど強い。
>「ただ好きだから歌っているのに、今
>「勇気をもらった」と言ってくれるひと
>がいる。
私も貰いました。ありがとう。
人の役に立っているのだと、
そう実感出来た時、うれしいと思う。
と同時に自分も人から勇気を貰うのだと
思います。
そうやって支え合って生きている。
それが人生ですよね。
一人ではない。
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コメント
取り上げていただいてありがとうございます。
26日のコンサート、盛況のうちに終えることができました。
また今後も一緒に活動して参りますので、応援してくださいませ。
投稿: daisaku | 2010年6月28日 (月) 21時22分
盛況とのこと、良かったですね。
福島県の郡山市在住なので、直接聞く機会はまずないと思います。
陰ながら応援します。同時に活躍祈ってます。
人に勇気と感動を、それができるのは素晴らしいこと。
投稿: haredasu | 2010年6月29日 (火) 11時47分