大腸がん治療 選択肢広がる 新たな分子標的薬登場 「個別化治療」への一歩
大腸がん治療 選択肢広がる 新たな分子
標的薬登場 「個別化治療」への一歩
2008年12月08日 西日本新聞
詳細は、リンクを参照して下さい。
かなり以前のニュースです。
ご承知おきください。
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大腸がんの増殖などにかかわるタンパク質
を攻撃し、がんを縮小させたり増殖を抑え
たりする新しい分子標的治療薬が9月に
登場した。
患者の特定の遺伝子を調べ、効果が出そう
な人だけに投与する「個別化治療」への期待
もある。
昨年発売された別の分子標的薬も安全性
などの調査が進み、選択肢が広がってきた。
新たな薬は、既に世界70カ国以上で承認
されている注射液の「セツキシマブ」(製品
名アービタックス)。
大腸がんの9割前後にみられ、細胞の増殖
や新たな血管ができる際のスイッチとして
働くタンパク質「EGFR」に結合し、増殖
などの命令をブロックすると考えられている。
化学療法はここ10年で大きく進歩した」
と滝内准教授。
ただ、ほかの抗がん剤との併用効果は、
大腸がんに多く見られる「Kras」という
遺伝子に変異がある場合は明らかでない
ことが最近報告され、欧州では変異がない
場合だけ薬を使用するよう承認が変更
された。
日本でも、Kras遺伝子の検査は一部の
がんで保険が使え、専門医らはこれに大腸
がんも加えるよう国に要望している。
国立がんセンター東病院の吉野孝之医師は
「コスト面からも、検査で治療対象を選ぶ
ことは重要。
個人の体質に合った個別化治療への一歩に
なると言っても過言ではない」と指摘する。
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分子標的薬の使用に関しては、遺伝子検査
で、効果を事前に判定する「個別化治療」
が可能になりつつあります。
目的のがん細胞遺伝子が変異しているか
どうか調べられるのです。
もし、変異していれば、効果はありません。
残念ながら、原理的にそうなります。
しかも、変異している割合は、3~4割程度と
かなり高いのです。
欧米では、遺伝子検査が必須となって
いるようです。
日本では、遺伝子検査をしている医療機関は
12%程度とのこと。
無効な医療をしている可能性が高い。
しかも、この薬は高額、使用に当たっては、
安易であってはならないと思います。
高額医療費制度をつかっても、月8万円程度
になる。大変です。
前に評論家の立花隆さんが、分子標的薬は、
確かに有効ですが、がん自体が生き物であり
変異していく、よって、いたちごっことなり、
がんに勝利することは、難しいだろう。
と言っていましたが、そう思います。
がんの変異がどの程度のスピードなのか?
その程度によっては、製薬会社が開発に
着手しない可能性が出てきます。
開発費の回収が出来ないからです。
頭の痛い話です。
だからこそ、有効な薬は躊躇せず使用し、
実効価格が下がるようにしていかないと
結局患者も、製薬会社も困ることになり
そうです。
医療政策にあたっている人は、このあたり
のことも考えて欲しいと思います。
参考情報です。ご存知とは思いますが、
「がんサポート情報センター」が情報提供
しています。残念ながら情報は古そうです。
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