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2010年6月 1日 (火)

捨て身の渡米で小胞体活動を解明…分子生物学のエース 森和俊・京大教授

捨て身の渡米で小胞体活動を解明
…分子生物学のエース 森和俊・京大教授

(2010年5月24日 読売新聞)

詳細は、リンクを参照して下さい。

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「大学を辞めたいんです」

 1988年秋、岐阜薬科大の研究室。
 指導教授を訪ねた30歳の助手、森和俊は
こう切り出した。

 「えっ、本気か。研究に君の力は必要だ」。
 驚く教授。
 話を聞いた大学幹部にも呼び出され
「残ってほしい」と説得された。
 しかし、森の決意は変わらなかった。
 「渡米し、分子生物学で世界に挑戦したい」

 後に日本を代表する分子生物学のエース、
森が日本を飛び出す意思を固めた瞬間だった。

 生命現象を分子レベルで解明するのが分子
生物学だ。
 当時、細胞内のたんぱく質合成工場に
あたる小胞体には、品質を管理する
システム(小胞体ストレス応答)が備わって
いることがわかりつつあった。
 研究室では88年、細胞の状態が悪いと
小胞体でたんぱく質の形成を助ける物質が
増えることを発見。
 本格的な研究が始まったばかりだった。

不良たんぱく質「検知・修理」分子発見
 細胞内の小胞体では、生命活動に必要な
たんぱく質を作っている。
 酸素や栄養の欠乏などストレスを受けると
不良品のたんぱく質が多く作られる。
 不良品の修理や処分のほか、たんぱく質
の生産そのものを停止させるのが
「小胞体ストレス応答」という品質管理
システムだ。
 森教授は、不良品を検知する分子
「IRE1」や、修理、処分を行う物質を
作り出す分子「HAC1」を発見。
 2001年には人で同じ働きを持つ分子
を見つけるなど、小胞体ストレス応答の
基本的な仕組みを解明した。
 このシステムは糖尿病や動脈硬化、
パーキンソン病などにも関係すると
みられ、原因究明や治療法の研究が
世界中で進められている。
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>「守ってばかりでは駄目。どこかですべて
>を捨て、相手に打ちかからねばならない」
勇気が必要です。
すごい人ですね。

小胞体品質管理(ERQC)、小胞体関連分解
(ERAD)の作用機序の解明は今後ますます
重要になってくるものと思います。

期待しています。

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