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2010年6月10日 (木)

どう計算しても年金は2032年に破綻する。

どう計算しても年金は2032年に破綻する。
財政検証のゴマカシを剥いだ真実の姿

2010年6月5日 DIAMOND online
野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 2010年を1とする指数で見ると、2040年に
おいて、受給者は1.22に増加する反面で、
保険料納付者は0.8に減少する。

 日本における年金の問題とは、結局、今後
30年の間に、保険料納付者が8割に減り、
他方で受給者が2割以上増えるということに
集約されているのである。

 こうした事態に対して、日本の年金制度は
適切に対処しているとは考えられない。

 まず、加入者の減少と受給者の増加に対処
するため、「マクロ経済スライド」の制度が
導入された。
 ただし、毎年0.9%程度の年金額削減を
2023年度まで続けることとされているだけ
なので、将来の年金額を11%程度削減する
効果しかない。
 受給者は2040年度には現在の1.22倍になる
ので、他の条件が変わらなければ、給付総額
は現在より8.5%増加するはずである。

 他方で、保険料率は現在の16%から18.3%
へ引き上げられるとされている。
 しかし、保険料納付者が8割に減少する
ため、賃金上昇がなければ、保険料収入は
2040年度には現在の91.5%に減少するはず
である。

 だから、厚生年金制度の収支は悪化し、
現在144兆円ある積立金は、どこかの時点で
枯渇するはずなのである。

 ところが、財政検証では、収支差は
マイナスにはならず、その結果積立金残高
は増え続けるという結果になっている。

 これは、つぎのようなカラクリがあるからだ。

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 言うまでもないことだが、以上のすべて
は、ごまかしであり、問題の隠蔽以外の
何物でもない。

 真実の姿のシミュレーション

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 シミュレーション結果:
 厚生年金は2032年に破綻する

 このシミュレーションの結果は、本稿の
最初に述べた伸び率等の数字をもととする
つぎのような直感的理解で確認することも
できる。

 現在37兆円である給付は、2040年度には、
2.2割増加して45兆円になるだろう(シミュ
レーションでは44.8兆円)。
 現在25.4兆円である保険料は、9割に
なって23兆円になるだろう(シミュレー
ションでは22.5兆円)。
 国庫負担は、給付の3分の1(基礎年金拠出
金)の半分(国庫負担率)で、8兆円程度に
なるだろう(シミュレーションでは8.2兆円)。
 したがって、収支差は14兆円程度になる
だろう(シミュレーションでは15.1兆円)。
 収支差の累積を表す三角形の面積は、
14×30÷2=210兆円となるが、これは現在
の積立金より60兆円多い。
 これは、収支差の5年分くらいなので、
2035年頃に破綻しているだろう(シミュレ
ーションでは2032年)。

 なお、つぎのような理解も可能である。
 100年間にわたる赤字累積額が現在の積立
金残高を超えないためには、つぎの関係が
必要だ。

(100年後の単年度赤字)<2.9兆円
となる。

 保険料率をいま予定されている18.3%から
さらに1割引き上げて20%とし、またマクロ
経済スライドを物価動向にかかわらず今後
継続してゆけば、これを達成することは、
不可能ではない。

 つまり、対応いかんによっては、厚生年金
を破綻させることなく運営することは不可能
ではない(逆に言えば、そうした対応を取る
ことが、いま求められることである)。

 しかし、その場合には、厚生年金加入を
「投資」と見た場合の収益率が著しく低下
する。
 つまり、自分で運用することとの格差が
問題となる。
 ここにおいて、「強制加入の公的年金は
果たして必要なのか?」という本質的な問題
が発生することとなる。
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やはり、厚生年金は破綻するようです。
無理に存続できるようにすると、

>「強制加入の公的年金は果たして必要なの
>か?」という本質的な問題が発生すること
となる。

ということのようですが、政府は
どう決着をつけるつもりなのでしょうか?

あと12年程度の時間しかありません。
どうしてこう鈍いのでしょう?

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