がんと闘った科学者の記録 [著]戸塚洋二 [編]立花隆
がんと闘った科学者の記録 [著]戸塚洋二
[編]立花隆
[掲載]2009年7月26日 朝日新聞
少し古い話になりますが、急に思い出した
ので、紹介しておきます。
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がんの闘病記はどれほど書かれている
だろうか。
幾百に及ぶ書は、がんと闘う、受容する、
添い寝する、逃避するなど多様だが、本書は
対話する、あるいは科学者らしく分析する
に徹した記録である。
著者は「研究者として一生を送ってきた者
の悲しい性(さが)」と言って、自らの
がんの進行具合、抗がん剤の服用とその
効果、とにかくすべてを数値化してがん
との対話、分析をブログで明かしていく。
むろんこうした闘病とは別に狭まっていく
「生」をどのように過ごすか、「死」とは
いかなる領域なのか、仏教書、哲学書にも
ふれながら、いずれ幽明境を異にするその
境を意識していくのである。
著者が大腸がんの手術を受けたのは
二〇〇〇年十一月。
〇四年に左肺、翌年右肺に転移(多発)が
わかる。
自身も認めているが、この時期にも仕事
を優先させていた。
世界で初めて素粒子ニュートリノに質量
があることを発見するなど、物理学者として
の実績は「最もノーベル賞に近い人」
(立花隆氏の序文)というだけに、仕事と
治療の両立も難しかったのかもしれない。
立花氏の序文と末尾のふたりの対談は、
がん患者の枠を超えて現代人の理知が
死と向き合うことの意味を教えている。
この社会はがんの闘病記録に新しい型を
見つけたといいうる。
凡夫のがん患者(私)は、さて自分は
そのタイプになりうるかと黙考すること
になる。
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戸塚洋二さん、本当に惜しい人を亡くして
しまいました。
ノーベル賞をもらってもおかしくない人。
残念です。
参考までに、戸塚洋二さんのブログは、
「The Fourth Three-Months_戸塚洋二」
本も買って見て見ようと思います。
この本です。
闘病記は、いろんな意味で考えさせられる
ものがあり、幾つか読んでいます。
テレビでも放映されていましたが、
その生き方には学ぶべきものが多かったと
記憶しています。
参考までに、闘病記を紹介している
ページを紹介しておきます。
何かの役に立つかも知れませんので、
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