医学文献でまかり通る報告バイアス(論文紹介)
医学文献でまかり通る報告バイアス
(論文紹介)
2010年04月28日 情報管理WEB
Japan Science and Technology Agency
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医学文献では報告バイアス(reporting
bias)がまかり通っており、対策を講じ
なければ患者が危ないとした論文"Reporting
bias in medical research - a narrative
review"(PDF 58ページ)がオープンアクセス
誌Trialsに掲載された。
ドイツの公的機関「医療の質・効率研究所」
"Institute for Quality and Efficiency
in Health Care、IQWiG"のNatalie McGauran
氏など6名の共著。
(紹介文試訳)
公表された研究に基づき治療判断・方針
決定を行う者にとって、試験結果が選択的に
報告されるのは懸念である。
先週Trialsで発表した総説の中で、
McGuaran氏たちは医学文献での発表バイアス
(即ち、ネガティブな又は結論の出ない
研究成果は発表しないこと)と成果報告
バイアス(即ち、特定の結果は公表研究では
報告しないこと)のprevalence(蔓延、
罷り通ること、普及)を査定した。
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ありがちなことと思います。
程度問題でしょう。
自分の論文の正当性を訴えたい訳だから
反するとはいえないまでも、不明なものは
例え少し疑問が残るとしても、無視する
ことはあり得ることです。
でもその程度が、もし患者が危険に
さらされる程度であれば、大変です。
直ちに対策が必要でしょう。
真剣に議論して貰いたい。
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