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2010年4月 7日 (水)

あなたは世界が変化する速度を意識していますか

あなたは世界が変化する速度を意識して
いますか

2010. 4. 2 日経メディカルONLINE

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 私が一番興味を引かれたのは、世界が変化
していく速度そのものです。

 1990年に始まったヒトゲノムプロジェクト
では、13年の歳月と30億ドル以上の経費を
かけて、人間のゲノムのすべての塩基配列を
解読するのに成功しました。

 ワトソンとクリックがDNAを発見してから、
その塩基配列がすべて解読されるまでに、
ちょうど50年かかったことになります。

 しかし、その後の技術的進歩によって、
2007年には1人の人間の全ゲノム解読の
コストが3000分の1の100万ドルに、
2008年3月の時点では6万ドルになりました。

 2008年の終わりには、すべての塩基配列
の解読を5000ドルで24時間以内にできる
までになったのです。

 その結果、昨年末には既にいくつもの
一般消費者向けオンライン遺伝子検査
サービスが利用できるようになっています。
 例えば、アメリカのベンチャー企業
Navigenics社(カリフォルニア州Foster
City)では、オンラインで申し込んでから
7日で検査キットが到着し、唾液サンプル
を送り返して11日後、パスワードで保護
されたウェブサイトで結果が見られる
ようになるそうです。
 999ドルの費用で、脳動脈瘤をはじめ
とする28の疾患にかかるリスクの有無を
分かりやすく説明してくれます
(2010年3月現在)。


 遺伝子情報とパーソナライズド
・メディシン
 こうした状況を打開する方法は、研究者
の間では既に広く知られています。
 ある薬が効く人と効かない人の遺伝子の
違いを調べ、効く遺伝子を持っている
人だけに当該の薬を処方すればよいのです。
 現在では、技術的にも経済的にも充分に
可能なことです。
 ところが、このような“パーソナライズド
・メディシン”(個性化医療)は、十数年前
に予測されたほどには進んでいません。
 数年前までは遺伝子検査がまだまだ高額
だったことも理由の一つですが、製薬会社
が導入に消極的なことも大きな原因だと
言われています。
 本当に効く人だけに薬が処方されるように
なれば、製薬会社の売り上げは半減する
わけで、無理もないかもしれません。

 ところがここへ来て、事態が好転する
兆しが見え始めました。
 CVS/ファーマシーなどの巨大薬局チェーン
が、遺伝子検査サービスを開始したのです。
 処方薬の消費が減れば利益も減るのは薬局
も同じですが、この遺伝子検査サービスを
労働者の雇用者に売ることで利益を上げよう
というビジネスモデルです。

 アメリカでは雇用者が労働者の医療保険料
の何割かを負担しますが、保険料が高く
なり過ぎて、企業経営を圧迫するところ
まできているという背景があります。
 これがゼネラルモーターズ(GM)の倒産
の一因にもなりました。
 ですから雇用者としては、遺伝子検査費用
が少々かかっても、それによって処方薬の
コストが減り、労働者の健康状態が改善
すれば、十分に元が取れます。
 労働者側からすれば、本当に効果のある
薬だけを飲み、効果のない薬の副作用に
さらされる危険がなくなるわけですから、
その利益は明らかです。

 やみくもに医療費を減らす、あるいは
医療費の伸びを抑えるという近視眼的な
医療政策の下では、パーソナライズド
・メディシン導入のような大きなパラダイム
シフトは不可能でしょう。
 遺伝子検査が広く使われるようになる
ためには、初期投資が必要です。
 さらに、遺伝子検査の結果を分かりやすく
患者に説明する必要がありますが、既に
忙しい日本の医師にそれを求めるのは不可能
です。
 そこで、遺伝子コンサルタントのような
新しい職種も必要になるかもしれません。

 いろいろな問題があったとしても、個人の
遺伝子情報に基づいた医療が、生命科学の
進歩の大きな流れの一つであることは
明らかです。
 そして、その大きな流れは日々加速して
いるように見えます。
 パーソナライズド・メディシンが導入
されれば、少なくとも一時的には医療費は
増大するでしょう。
 しかし、その結果として、医療の効率と
安全性は長期的には向上するはずです。
 患者個人の遺伝子情報を無視して医療が
施行できる時代は、終わろうとしている
のかもしれません。
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興味深い話しです。

すごい時代に入ろうとしているということ
ですね。

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