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2010年3月 1日 (月)

小脳は再生できるか?

脳神経再生の話しは聞きますが、小脳
再生についての情報は、見たことがありません
でした。

が、2010/2/25発行のSCD・MSA友の会の
研究室だよりに、希望を持てる記事が
ありましたので、簡単に紹介しておきたい
と思います。

知らない人もおられると思いますで、
参考まで、

内容
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胚性幹細胞から小脳プルキンエ細胞を作る

東京医科歯科大学医学部附属病院神経内科
田尾 修
水澤 英洋
(教授)
の所の成果です。
(慶応義塾大学医学部生理学教室岡野栄之
教授との共同研究)


 ES細胞から小脳に分化する際に必須と
思われるタンパク質が除々に明らかになった
ので、これらのタンパク質をES細胞から
神経細胞を作る過程に加えることで幼若な
プルキンエ細胞を作製し、これを小脳という
環境に類似した適切な条件下で培養する
ことにより、生体内と同様なプルキンエ
細胞を成熟させることに始めて成功しま
した。

 作製したプルキンエ細胞は、形だけで
なく機能的にも生体内のプルキンエ細胞と
同じ性質を持っていることを初めて確認
できました。

 これは障害された小脳の機能の回復と
症状の改善に役立つ可能性があると期待
されます。

 マウスに移植したプルキンエ細胞が約
一ヶ月後、実際にマウスの小脳に定着
し成熟することを確認しました。

 しかし、まだ移植後に成熟する
プルキンエ細胞の数が十分でなく、その
効率化が課題ですし、プルキンエ細胞の
分化誘導もより効率よく大量に作り出す
工夫を重ねることが必要です。

 まだまだ第一歩、しかも小さな一歩にしか
過ぎません。
 実用化には多くの研究が必要ですし、時間
もかかると思います。

 しかしながら、一歩を踏みださなければ、
決して、前には進めませんので、意味の
ある前進と考えています。
---------------------------------------

というものでした。

大いに期待したいところです。

小脳の再生は、難しいと思っていました
ので、このことに大いに勇気づけられ
ました。

まだまだ、小さな一歩ということなので、
臨床応用にはまだまだ沢山の時間が
かかると思われますが、よろしく
お願いします。

最終的には、ES細胞を使うことには
倫理的な問題をともないますので、
iPS細胞からの再生ということに
なるものと思われます。

今回の研究も、先にあげたJSTの研究も
久しぶりに、希望を持たせてくれるもの
でした。

一歩前進です。

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