「暗黒物質」らしき粒子、観測 米の研究チーム発表
「暗黒物質」らしき粒子、観測
米の研究チーム発表
2009年12月18日 朝日新聞
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【コペンハーゲン=勝田敏彦】宇宙の
「物質」の4分の1を占めるとされるが、
正体不明の「暗黒物質」らしい粒子が地上
で観測された。
最終確認には時間がかかりそうだが、
宇宙の謎に迫る大発見につながる可能性が
ある。
米ミネソタ大などの研究チームが17日、
発表した。
暗黒物質は、光を出したり反射したり
しないが質量は持つ謎の物質で、1980
年代に銀河回転の観測から存在が仮定
されてきた。
理論などによると、宇宙の構成要素の
うち、我々の世界を作っていると考え
られている素粒子は数%に過ぎず、7割強
を未知の「暗黒エネルギー」が、2割強を
暗黒物質が占めている。
観測は難しいが、まれに通常の物質に
衝突する可能性があり、研究チームは
そうした現象を探すため、ミネソタ州北部
の地下約700メートルにある施設
CDMS2に検出装置を設置した。
発表によると、2007~08年、
暗黒物質の粒子が装置の中の
ゲルマニウム原子核に衝突して
起こしたらしいわずかな温度上昇が
2件観測された。
ただ、似た別の現象を誤ってとらえた
可能性もあり、チームは「発見した
とまではいえない」としている。
「間違いなく見つかった」と判断される
には5件以上の現象の検出が必要とされ、
チームは今後、検出装置の改良などを行う。
暗黒物質は07年、50億光年離れた
銀河団に存在している様子が観測されて
いる。
地上での検出には、東京大が岐阜県
・神岡鉱山に探索施設「X(エックス)
MASS(マス)」を建設しているほか、
欧州の世界最強・最大加速器LHCの
チームも、人工的に作ることを目指して
いる。
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まだ、発見されたとは、言い難い状態
らしい。
「暗黒物質」ってどんなものなのでしょう?
リンクによると、
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宇宙に占める暗黒物質の割合の推定 [編集]
1986年に発見された宇宙の大規模構造が
作られるまでの時間をシミュレーション
した結果、ビッグバン宇宙論から導き出さ
れている137億年といった宇宙の年齢とは
かけ離れた長い歳月を必要とすることが
明らかになった。
そのため、ビッグバン宇宙論が間違って
いて修正が必要ではないかという見解が
生まれたが、まもなく暗黒物質の存在を
仮定すると、ビッグバン宇宙論と矛盾
しない時間の範囲内でも、現在のような
銀河集団の泡構造ができあがることが
明らかにされた。
そこで、宇宙全体にどの程度の暗黒物質
や暗黒エネルギーが必要なのか、繰り返し
シミュレーションが行なわれている。
その結果、ダークマターを含めた物質を
約30%、ダークエネルギーを約70%にした
場合にうまくいくことが確認されている。
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ということで、暗黒物質の割合の推定が
されているようです。
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