« クボタ、100年持つ水道管を開発 | トップページ | 有力研究者 アジアで争奪戦 「世界水準の大学目標」に »

2010年1月15日 (金)

生活第一 輝け社員

2010/01/03 朝日新聞より

---------------------------------------
 日本企業が海外で生み出している付加価値
は33.9兆円(2007年度、大和総研推計)
国内であれば、従業員の給料や下請けへの
支払いなどとして日本の「豊かさ」になった
はずの額とも言える。

 稼いだお金を日本の外に滞留させている
現地法人の内部留保残高も約20兆円に
急増した。

 背景には、税率が低い国などに所得を集め
税負担を最小化する動きが広まっていること
がある。

 中でも、上位5社となると平均24.5%
欧米グローバル企業並の低負担だ。

 だが、日本経団連などは、「法人税を
下げてもらわないと海外に出るしかない。
日本での雇用や賃金はさらに減る」と
主張する。

 グローバル時代に高まる大企業と国家の
緊張をよそに、地域社会と共存を目指す
企業群もある

 長野県の伊那谷。アカマツ林を残す
約3万坪に伊那食品工業の本社や工場が
広がる。
 土地は地元の組合から委託された。

 「伊那になら任せられる。使って欲しい
となった」と塚越寛会長。
 農家の冬場の副業だった「斜陽」の
寒天製造にこだわり、社員約400人の
1割は開発部門に配置、用途を健康食品や
化粧品、医療に広げてきた。

 国内シェアは8割。
 創業以来05年まで「48年間増収増益」
「社員の生活が大事」と工場は午後5時まで。

 株上場を勧められても断っている。

 株主が求めがちな短期の収益を意識すれば、
人件費を削減したり下請けに無理をさせたり
することになるからだ。

「人件費を『コスト』と考えること自体が
おかしな話。
 企業は皆が幸福になるための手段。
 大事なのは働く人が失業せず、生活が
永続すること。
 雇用をつくり、税金を払って社会に貢献
しながら、木が年輪を重ねるように
少しずつ無理なく成長すればいい」

 岐阜県輪之内町。
電気スイッチのボックスや電線の地中
埋設管などでトップシェアを維持する
未来工業の工場は年末から「17日間の
正月休み」に入った。
 その直前、「技術部長兼関連会社社長」
の傍島洋一さん(64)は、出荷作業に
追われていた。
「退職は71歳の誕生日の前日までに
自分で決めればいい」という再雇用制度で
現場に戻った。
 手当ては減ったが、給料はピーク時の
60歳の水準が維持され、年700万円
余り。「いい会社に入って一生終われる
のは幸せ」

「全員正社員」で日本一短い労働時間
(1日7.25時間)、年休は140日前後、
育児休暇は3年。これで創業以来赤字なし。

「生き残るには、1人1人が製品や仕事の
差別化で工夫するしかない。
 それには働く人がやる気を起こす会社に
するのが1番近道だった」と創業者の山田
昭男相談役。
 社員食堂の脇に置かれた「ポスト」に、
社員がアイデアを入れる。
 約800人の社員の3分の2が年に20件
以上を提案。
 ユニークな製品が次々、生み出されてきた。

 グローバル競争に勝ち残る。
 その上で、会社が社会や働く人と「幸福な
関係」を作るにはどうすればいいのか。
そして”日本流”とはトヨタやパナソニック
なのか、伊那食品や未来工業なのか、、。
 輸出企業の「無国籍化」が避けられない
なら、「雇用や生活の基盤、自己実現の場」
を実現する企業を社会にたくさん組み込む
こと。
 それが本物の「豊かさ」を実感する成長
戦略かもしれない。(編集委員・西井泰之)
---------------------------------------

企業本来の存在目的は、上記文中にも
あったように、

「企業は皆が幸福になるための手段」
であり、

「大事なのは働く人が失業せず、生活が
永続すること。
 雇用をつくり、税金を払って社会に貢献
すること。」

だと私も思います。

本物の「豊かさ」を実感する社会を実現
する為に、どうあるべきなのか、
しっかり議論し、真に豊かな国を目指して
貰いたいものだと思います。

伊那食品や未来工業のような企業は、
まれな存在なのかもしれませんが、
そういう企業が存在するのだと
いうことを無視してはいけないと
思います。

もし、若くて、近くにそんな企業が
あったら即、応募したい。

企業の目的は、利益追求ではありません。

利益は、企業を永続させ、雇用を創出し、
社会に貢献する為にあるはず。
この後半部分がなければ、何のための利益、
何の為の企業存続なのか?
良く考えなければいけないと思います。

利益の配分にしてもそうです。
今のあり方が正しいとは思えません。
米国などは上位1%の人が50%の
富を占有する。
これが正しい姿でしょうか?
日本は、どこを目指しているので
しょうか?
米国を目指しているように思えます。

現に、平均給料は下がっているのに、
取締役以上の役員の給料は、上がって
いるようです。格差拡大です。

”日本流”とはトヨタやパナソニック
だとは、思えません。
少なくとも、創業者は、そうでは
なかったはず。ソニーもそうです。

バランスのとれた社会にしたいですね。

|

« クボタ、100年持つ水道管を開発 | トップページ | 有力研究者 アジアで争奪戦 「世界水準の大学目標」に »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 生活第一 輝け社員:

» Chi-ki.info 地域情報サイト『チーキ』 輪之内町 [Chi-ki.info 地域情報サイト『チーキ』]
輪之内町の天気 輪之内町のニュース 輪之内町の口コミ情報... [続きを読む]

受信: 2010年1月20日 (水) 10時46分

« クボタ、100年持つ水道管を開発 | トップページ | 有力研究者 アジアで争奪戦 「世界水準の大学目標」に »