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2010年1月31日 (日)

小国デンマークからの産業革命・上、下(産業部記者 宇野沢晋一郎)

小国デンマークからの産業革命・上
(産業部記者 宇野沢晋一郎)

2009-11-16 日経産業新聞online

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 この国の国土面積は日本のおよそ10分の1
(グリーンランドを除く)。

 狭い国土に日本のおよそ倍、約320万キロ
ワットの出力の風力発電機が運転している。

 現在、デンマークで使う電気エネルギーの
20%が風力発電によるもの。

 人口550万人の国で、風力発電産業の
従事者は約3万人に及ぶ。

 風力発電機はデンマークの輸出額の
7%を占め、最大の輸出工業品でもある。

 デンマークはその間、国内で大型風力
発電機の開発を急ピッチで進め、国内市場
をテコに国内メーカーを育成した。

 原発に変わりうる新たなエネルギー源
として、風力発電機の市場は90年代後半に
欧州で急拡大。
 技術を蓄積したデンマーク最大手の
ヴェスタスは、一気に世界シェアトップに
上り詰めた。

 欧州が中心だった風力発電の市場で
デンマーク企業は存在感を示し続けてきた。
 しかし、その市場が世界規模に拡大し、
その限界も浮かび上がっている。

 海外市場が年30?40%増の爆発的な伸びを
示すなか、独シーメンスや米ゼネラル
・エレクトリック(GE)など巨大資本が
参入し、競争は激化した。
 資本力の乏しいヴェスタスのシェアは
少しずつ低下。
 市場ができてからずっと維持するトップ
の座もGEの追い上げの前に、もはや
風前の灯火だ。
 デンマーク風力発電協会によると、昨秋
の金融危機の影響などもあり、2年の間に
風力発電機産業の雇用が2000人程度
失われた。

 日本であれば大騒ぎになりそうな主力
産業の斜陽。
 それでも、デンマーク投資庁の
オーレ・フリジスメンソン・ディレクターは
「再生可能エネルギー源が1つじゃダメ。

 風力だけなんてナンセンス」と事もなげ
にいう。
 彼は風力を補うエネルギー産業として
バイオマス(生物資源)を挙げた。
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>「再生可能エネルギー源が1つじゃダメ。
  風力だけなんてナンセンス」

同感です。多様でなければ、駄目です。
素晴らしい考え方です。
次が後半です。

小国デンマークからの産業革命・下
(産業部記者 宇野沢晋一郎)

:2009-11-23 日経産業新聞online

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 「自転車に気をつけて!」??。
 コペンハーゲンでタクシーを降りるとき、
運転手からはこんな声がかかる。

 主要な道路には車道と歩道の間に
“自転車道”が設けられ、多くの市民が
通勤・通学の足に利用している。

 自転車が増えたのは、高い取得税が
かけられた自動車が高根の花だから。

 政策誘導でガソリンを大量消費する
クルマ社会からの転換を加速。
 同時に、電気自動車を核に据えた次世代
インフラ作りも始まっている。

 世界最高とされるデンマークの自動車
取得税。ガソリン車の購入には180%もの
税金がかかる。
 100万円の軽自動車でも、購入価格は
280万円と外国車並みになる。

 この取得税がゼロになる車種がある。
 ガソリンを使わない電気自動車だ。
 デンマーク3位のレンタカーチェーン、
SIXTはこの優遇を生かし、本格的な
電気自動車レンタルを、今年から始めた。

 電気自動車の利用が増えれば、電気の
利用が増える。
 新たに必要になる電気を、デンマークは
風力発電など再生可能エネルギーで
まかなう想定だ。
 再生可能エネルギーと電気自動車??。
 次世代を担う新たなインフラをつなぎ、
効率よく運用する仕組み作りが、1年半前
からバルト海に浮かぶ孤島を舞台に模索
され始めた。

 バルト海に浮かぶボーンホルム島は人口
5万人弱の観光の島だ。
 強い風が安定して吹く地形を生かし、
現在も必要な電力の33%を風力発電で
まかなっている。
 スウェーデンと送電線でつながり、島内
の電力需要より多く風力発電した場合は、
これまで送電線を通じて国外に売っていた。

 もっとも、化石燃料の消費を減らせる
自然エネルギーはなるべく、自国で
使いたい。
 そこで、電気自動車が搭載する蓄電池内
に余った電気をため置いて、需給の調整に
使おうとする構想が生まれた。
 実験に使うため、11年までに島内で
郵便配達車や福祉サービス用車両として、
50台の電気自動車を導入する。

 日本で「これから」とされる動きが、
現実に進むデンマーク。低炭素化を
発端とする「21世紀の産業革命」はもう
始まっているのかも知れない。
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すごいですね。
どうしてこんな強力な政治主導が出来る
のでしょうか?

安定して、風が吹く立地条件も関係して
いるのでしょうが、再生可能エネルギー
に対する考え方が根本から違うように
思えます。

目標に向かって国として動いている感じ
です。

手本にすべきではないでしょうか?

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