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2010年1月28日 (木)

電気自動車は本当に環境に優しいのか--ドイツの研究から明らかになった課題

電気自動車は本当に環境に優しいのか--
ドイツの研究から明らかになった課題

2009/05/11 CNET Japan

詳細は、リンクを参照して下さい。

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 電気自動車がもたらす環境上の利点に
対して、ドイツで疑問の声が上がっている。

 疑問を呈しているのは、意外なことに
環境保護団体だ。

 しかし米国の電気自動車ロビー団体は、
そのリスクは米国には当てはまらない
と主張している。

 環境保護団体である世界自然保護基金
(WWF)のドイツ支部は、未来のエネルギー
システムを研究するドイツの機関IZESと
協力して、同国における電気自動車による
環境への影響について研究を行った。

 ドイツは、米国と同様に、電気自動車の
導入について野心的な目標を設定している。

 現在4100万台の自動車があるドイツでは、
2020年までに100万台の電気自動車または
プラグインハイブリッド車を導入する
ことを目指している。

 今回の研究の結論は、これらの電気
自動車によって削減される温室効果ガスの
量はごくわずかにすぎないというものだ。

 「驚いたのは、二酸化炭素の削減量が
非常に小さいことだった」。
 WWFドイツの自動車専門家Viviane
Raddatz氏はベルリンからの電話
インタビューでこのように述べた。

 同研究によると、この100万台の電気
自動車によりドイツの交通運輸の分野で
削減される二酸化炭素排出量はわずか1%で、
ドイツ全体での二酸化炭素排出量の削減は
0.1%にとどまるという。

 Raddatz氏は「大きな数字とはいえない」
と述べ、「交通機関からの大量の排出量
という問題の解決には役立たない」
と付け加える。

 最悪のシナリオは、電気自動車が再生
可能なエネルギー源からではなく、石炭
による電力で走行するというものだ。

 これは、夕方にプラグイン車を充電する
ために追加の電力が必要となった場合に
起こる可能性がある。
 帰宅する通勤者たちによって電力使用が
すでにピークに達している時間帯に、電力
の需要が大幅に高まる可能性がある。

 現在、マージナル電源を供給するドイツの
発電所は石炭を燃料としている。

 同研究では、主たる問題はこの点だと
しており、石炭は、同量のエネルギーを
生み出すのにガソリンさえも上回る量の
二酸化炭素を排出すると付け加えている。

 WWFは、エネルギー負荷を管理する
スマートなシステムとバッテリ充電システム
があれば、ピークを夜間に分散して平準化
できるとしている。
 同研究では、100万台を超える自動車が
充電される場合、負荷管理が不可欠となる
が、スマートグリッドだけでは不十分だと
いう。大量の電力貯蔵も必要となる。

 「自動車のバッテリとは別に、ほかの
種類の蓄電装置も開発する必要がある。

 再生可能なエネルギー源から大量の
エネルギーを得られるようにしなければ、
二酸化炭素は削減されない」(Raddatz氏)

 ドイツでは原子力発電を2020年までに
段階的に廃止することが決議されたため、
WWFの今回の研究では、2020年より後の
エネルギー源として原子力は考慮されて
いない。

 このドイツの研究はエネルギー効率のみ
を対象としたもので、電気自動車の経済性
については考慮していないが、電気自動車
の可能性を完全に否定しているわけでは
ない。

 同研究は、電気自動車が、個人向けの
低炭素の都市型移動手段という役割を将来
担う可能性があることを強調している。

 また、マージナル電源はクリーンな
エネルギー源とスマートグリッドから供給
されるべきであり、スマートな負荷管理が
必要だとも提案している。

 しかし、そのようなシステムの開発には
長い時間がかかるということが強調されて
いる。

 「電気自動車は低炭素型の未来の移動
手段として真剣に検討するべき選択肢だが、
成果を上げるには再生可能エネルギーと
組み合わせなければならない」(Raddatz氏)
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思ってもいなかった問題です。

確かに、ドイツではそうなのでしょう。
盲点でした。

そんなに簡単に低炭素社会は実現
出来ないようです。

電気自動車の比率が増えれば、かなり
改善できると思っていたのですが、
そうではないケースがあるようです。

真剣に低炭素社会を実現しようとすれば、
電気自動車への供給電力を何によって
賄うのかが重要になります。

出来る限り再生可能エネルギー量を増やし、
スマートグリッドと、夜の電力ピークを
やり過ごすために蓄電設備も必要となるの
かも知れません。

今から、真剣に将来を見越して、どういう
電力システムにすべきかを検討する必要が
あるように思えます。

強力な国の主導が求められます。

日本は、原子力発電の比率が高いので
ドイツの研究とは、違った結果に
なるとは思いますが、原子力発電は
再生可能エネルギーではありません。
いづれ枯渇しますし、廃棄の問題も
あり、お勧めできません。

国は、どういう舵取りをしようと
しているのでしょうか?

主たる電力を原子力にするのは、
疑問。本当に正解なのかな?

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コメント

日本では、電気を作る際に発電所から排出される分を考慮に入れても、窒素酸化物(NOx)や二酸化炭素(CO2)は通常の自動車より大幅に少なくなると言われてますが、どうなんでしょう?
流石はドイツだと思いました。環境先進国で学校での授業でも、再生エネルギーの問題を考える時には化学と政治を両方学ぶ、、そんな国だからこそいろいろな観点からの見方もできるのでしょうね。また、世界に誇る自然がある国ですから、自然環境とエネルギーの問題に対しての自覚が日本人とはレベルが違うのでしょう(日本は低すぎます)
トラムや自転車専用道路の整備も日本よりかなり進んでいますし。
EV車はスマートグリッドでの双方向送電システムの観点からは、何かの時には小型発電所の役割もありますから、バッテリーの蓄電池容量は問題となりますね。
エコというと車の話題が多いですが、ハイブリッド船というのも聞いた事があります。開発研究は進んでいるのでしょうか?

投稿: H!ro^^ | 2010年1月29日 (金) 11時40分

日本は、まだまじめに研究してはいないのだと
思います。全てが電気自動車にはならないにしても、
その場合どの程度二酸化炭素の低減ができるのか
つかんでいるとは思えません。
高速道路の無料化の推進などは相反するものだと
思います。
要は、車の総量規制と、低炭素型の車に置き換えて
いくことですが、上記のような要素が入ってくると
難しくなりますね。

国家戦略として、一歩一歩進めていって始めて
達成できるものだと思っています。
その意味でまだ具体的な戦略が見えません。
目標値のみで具体性がない。

たしかにハイブリッド船の話しが出てますね。
「プラグイン、ハイブリッド…船にも電動化の動き」
http://www.asahi.com/business/update/0117/TKY201001170002.html

ハイブリッド船より、こちらの方が有望だと思います。
「大型エコ船でCO2削減へ/太陽光や風力利用、大手海運」
http://www.shikoku-np.co.jp/national/main/article.aspx?id=20091118000056

これは、東大の
「ウィンドチャレンジャー計画の発足―低炭素海運へ向けた
新形式の帆主機従風力推進船の開発―」
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_211208_01_j.html

のことだと思います。

投稿: haredasu | 2010年1月31日 (日) 16時06分

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