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2009年12月27日 (日)

多発性硬化症治療に有効なターゲットを発見

多発性硬化症治療に有効なターゲット
を発見

(2009年12月08日) 東京大学

詳細は、リンクを参照して下さい。

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1.発表概要:
 東京大学大学院医学系研究科の木原泰行
特任研究員と清水孝雄教授らは、
プロスタグランジンE2及びその産生酵素
であるmPGES-1が多発性硬化症の増悪に
大きく寄与していることを突き止め、
その作用を遮断することで症状が軽減する
ことを見出し、米国科学アカデミー紀要に
発表します。

2.発表内容:
 多発性硬化症は中枢神経系に限局して病変
をきたす疾患で、脳や脊髄の様々な部位で
炎症と脱髄を繰り返す原因不明の脱髄性疾患
です。
 欧米諸国では有病率が高く人口10万人
あたり50~100人の患者さんがいますが、
日本では稀な疾患で、1973年に厚生労働省
特定疾患(難病)に認定されています。

 2004年の全国臨床疫学調査によると、
国内患者数は約1.2万人で、1980年以降
生まれの女性で多発性硬化症が急増して
います。
 これまでの研究から、多発性硬化症は
白血球の一種であるT細胞が、通常は侵入
不可能な脳や脊髄に入りこんで、神経を
保護している髄鞘を攻撃することで脱髄
が起こる自己免疫疾患であると考えられて
いますが、はっきりした原因は未だ不明
のままです。

 治療には、急性期にはステロイドを
用いた薬物療法を、再発の予防には
インターフェロンβが使われていますが、
確固たる治療法は確立されておらず、
副作用の観点からも新たな治療法の開発
が必要とされています。

 研究グループは、リピドミクスの手法を
用いて、多発性硬化症モデルマウスの脊髄
病変部で脂質メディエーターの産生
プロファイルを継時的に測定した結果、
プロスタグランジンE2(PGE2)の量が病変部
で特異的に増えていることを突き止め
ました。
 さらに、トランスクリプトミクスの手法に
より、PGE2を産生する3種類の酵素のうち、
mPGES-1と呼ばれる酵素の発現量のみが増加
しており、PGE2の4種類の受容体のうちEP1、
EP2、EP4と呼ばれる3つの受容体の発現量が
増加していることを見つけました。
 脊髄病変部ではマクロファージにmPGES-1
が発現しており、T細胞には発現して
いませんでした。
 次に、mPGES-1の本疾患に対する影響を
調べるために、大阪大学の審良静男教授ら
によって樹立されたmPGES-1遺伝子欠損
マウスに多発性硬化症モデルを誘導して、
症状と免疫機能を観察しました。

 病気を起こした遺伝子欠損マウスの脊髄
病変部ではPGE2の産生が完全に抑制されて
おり、症状も改善しました。
 さらに、このマウスではT細胞が分泌する
サイトカインであるインターフェロンγ
及びインターロイキン17の産生量も減少
していたことから、マクロファージに存在
するmPGES-1によって産生されるPGE2が、
T細胞の免疫機能を制御して病気を増悪
させていることが考えられました。
 九州大学大学院医学研究院神経内科との
共同研究により、多発性硬化症患者の
剖検脳において、mPGES-1がマクロファージ
に発現していることが明らかとなり、
多発性硬化症の新規治療ターゲットとして
の妥当性が証明されました。

 本研究により、多発性硬化症の病変部
ではmPGES-1を発現しているマクロファージ
から、大量にPGE2が産生されて免疫応答を
調節し、結果として症状を増悪させている
ことが示唆されました。
 今回の発見は、mPGES-1が多発性硬化症の
治療に有効なターゲットとなりうることを
示したという点で、重要な意味があります。
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素晴らしい成果ですね。

いままで、有効な治療手段がなかった
中にあって、症状を軽減できる新たな
治療法のターゲットが発見されました。

大いに期待したい。

参考
プロスタグランジン

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