家族性自律神経異常症の疾患モデルiPS細胞
家族性自律神経異常症の疾患モデルiPS細胞
iPS Trend 研究開発トピックス
(掲載日:2009年10月01日)
詳細は、リンクを参照してください。
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PS細胞の作製技術を利用して、患者から
「疾患モデル細胞系」を構築することが出来れば、
疾患の原因究明と治療法の探索を容易にする
という点で非常に有益である。
これまでに、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、
筋萎縮症、パーキンソン症、などの疾患患者から
iPS細胞の作製が試みられている。
本論文では、家族性自律神経異常症
(FD; familial dysaoutonomia)という、
神経障害を伴う遺伝性稀少疾患患者の体細胞から
iPS細胞を作製し、疾患メカニズムの解明と
治療薬開発への有効性について報告した。
著者らは、この疾患の原因と考えられる
IKBKAPスプライシング異常と神経分化異常を
修復させるような治療薬の評価過程にも、
FD-iPS細胞が有効である事を示した。
実際に、IKBKAP遺伝子スプライシング異常
・神経形成の減退・神経冠前駆細胞機能の異常、
の3つを定量性のあるスクリーニング指標
として検討した結果、植物ホルモンの一種
kinetinがFD-iPS細胞に対してそれらの異常を
修復することが出来、細胞レベルの検証段階
ではあるが、早期治療薬としての可能性が
認められた。
ヒト疾患の原因究明が加速することが
大いに期待される成果といえる。
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iPS細胞の作成技術は、iPS細胞を用いてターゲットと
なる細胞を作成するということもあるが、このように
疾患モデル細胞系を構築して、疾患の原因究明と
治療法の探索を容易にするということのほうが、
多分、より有益なのかも知れませんね。
まだ、まだ、iPS細胞の安全性は、担保されて
いませんから、
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