ヒトゲノムの3D構造を解明、米研究者ら
ヒトゲノムの3D構造を解明、米研究者ら
2009年10月10日 08:46 AFP BBNews
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1つ1つのヒトの細胞は、膨大なDNAをいかにして
詰め込んでいるのか――。
その謎を解くべくヒトゲノムの立体構造を
明らかにしたとする米科学者チームの論文が、
8日の米科学誌「サイエンス(Science)」
に発表された。
論文を共同執筆した米マサチューセッツ大学
医学部(University of Massachusetts Medical
School)のNynke van Berkum研究員によると、
「Hi-C」という新しい技術を用いてゲノムを
数百万個の断片に切り分け、それぞれのパーツが
互いにどの程度近いのかを示す空間地図を作成した。
次にコンピューターを用いて、ジグソーパズルを
埋めるようにヒトゲノムの3D構造を解明して
いったという。
もう1人の主要執筆者である米ハーバード大学
(Harvard University)のErez Lieberman-Aiden
研究員によると、DNAは二重らせん構造だが、
1つの細胞内のゲノムはまっすぐのばすと2メートル
にも及ぶという。
「二重らせん構造が直径100分の1ミリ程度の
細胞核にどのように収まっているのかは
まだわかっていない。
今回のアプローチはその謎に切り込むものだ」
(Lieberman-Aiden研究員)
研究では、ヒトゲノムが2つの異なる
コンパートメントで組織されていることが
わかった。
これにより、活性化した遺伝子が常に
たんぱく質を働かせることができるとともに、
不活性なDNAの密度が高い部分とは切り離されて
いることが可能になるという。
研究では、ゲノムが「フラクタル」という
数学用語で知られる方法で自己を組織している
こともわかった。
このため細胞はその核に、コンピューター
チップよりも3兆倍も高い密度でDNAを
閉じ込めることができる。
このとき、細胞のゲノム読み取り能力を
損なう恐れのある「もつれ」や「からみ」が
できないようにすると同時に、遺伝子活性化、
遺伝子抑制、細胞複製の際にDNAが容易に
折り畳まれたり引き伸ばされたりするのを
可能にしていた。(c)AFP
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DNAの立体構造がわかったということですが、
今後の展開は?
どういうことがその成果として出てくるので
しょうか?
こうご期待というところですね。
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