「最先端研究」支援の30人決定 2700億円配分、拙速の声
「最先端研究」支援の30人決定 2700億円配分、拙速の声
(2009年9月13日 読売新聞)
詳細は、リンクを参照してください。
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総額2700億円もの資金を30人の研究者に
委ねる「最先端研究開発支援プログラム」の
配分先が決まった。
政権交代目前の決着に、問題はなかったか。
選考結果への評価と、巨額の研究費を無駄に
しないための課題を探った。
かつてない大金を研究に生かせるとあって、
研究者の関心は高く、565件の応募があったが、
審査期間は1か月余りだった。
特に、最初に300件に絞る段階の審査は、
わずか1週間。
担当した有識者からも「読む書類の量は文庫本で
100冊以上。とても無理」「調べる時間もなく、
自分の専門分野以外は棄権するしかない」と
不満の声が上がった。
「今は目立たず、今後伸びていくような研究者を
発掘できていない」と、角南准教授は言う。
「早く選考しないと予算執行が遅れ、研究が
進まない」と事務局は説明するが、「麻生政権
のうちに課題を決めたかったのではないか」
との見方も多い。
民主党政権下で予定通り進むかどうか、
不透明さも残る。
政治家の発案で創設されたこのプログラムの
制度には、評価すべきところもある。
基金を設け、年度ごとの予算に縛られない
仕組みとした点だ。
予算は通常、翌年度への繰り越しが簡単でなく、
研究費の無駄遣いや不正流用につながりやすい
と指摘されてきた。
その長年の懸案が解消され、研究者らは
「役所だけでは実現しなかった。画期的」
と歓迎している。
2700億円の配分先は、3~5年で実用化を
狙える研究を中心に選ばれ、こうした「出口志向」
の研究が30件中25件を占めた。
しかし、技術が革新的であるほど、実用化には
資金面以外の支援策が重要になる。
山中伸弥・京都大教授らは、新型万能細胞
(iPS細胞)を心臓などの細胞に変化させて
移植する再生医療の実現を目指す。
150億円という破格の配分が見込まれ、
石井哲也・京大iPS細胞研究センター准教授は
「研究が大きく加速する」と期待するが、
「再生医療への応用には、国の審査期間の短縮が
必要」と、複雑な表情も見せる。
悲惨な前例がある。再生医療分野で唯一、
国の承認を受けた培養皮膚の場合、申請から
承認までに約9年もかかった。
その間、開発したベンチャー企業の
累積赤字は約60億円に膨らんだ。
別の培養皮膚を手がけたベンチャー企業は、
臨床試験前の審査だけで4年9か月かかり、
倒産した。
稲見雅晴・元社長は「データを次から
次へと追加で求められ、ゴールが見えなかった。
審査機関には時間感覚が欠如している。
審査を通す意思があったのか疑問だ」
と批判する。
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民主党になりましたが、どうなるのでしょうか?
最先端研究費:2700億円の支給対象者
再検討 副文科相
毎日JP
というニュースがあります。
気になるところです。
基本的には、このプログラムの制度を私も評価します。
ただ、拙速の感は、否めません。
貴重な税金を使うのですから、もっと、
時間をかけて、真に有益な研究にこそ
予算を投入するべきです。
さらに、記事でも言っているように、
国の審査期間の短縮が必須と思います。
せっかく結果を出しても、世の中に出なければ、
なんの役にも立ちません。
企業が育たなければ、意味がありません。
技術立国を目指しているのではないのですか?
総合的な施策がなされるよう期待しています。
どうして対策が断片的なんだろうか?
縦割り行政の弊害ですか?
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