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2009年9月24日 (木)

フッ素磁気共鳴信号をオフ・オンスイッチングすることのできる新原理を発見

フッ素磁気共鳴信号をオフ・オンスイッチング
することのできる新原理を発見

(特定たんぱく質のMRI画像診断技術革新への第一歩)
平成21年9月23日
京都大学
科学技術振興機構(JST)

詳細は、リンクを参照してください。

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 JST目的基礎研究事業の一環として、
京都大学の浜地 格 教授らは、特定の
たんぱく質に応答してフッ素磁気共鳴信号を
オフからオンへと完全にスイッチングできる
全く新しい原理を世界で初めて発見しました。

 従来、磁気共鳴画像診断(MRI)注1)では、
体内の水分子の磁気共鳴信号を増感剤に
よって増幅して観察するため、血管や組織
などの形態の異常は検出できても、特定
たんぱく質の異常など詳細で微妙な体内情報を
感度よく検出できず、また、生体内に大量に
存在する水の信号がバックグラウンドノイズと
なることも高精度診断を妨げていました。

 より高感度で、特定のたんぱく質や酵素の
局在や量、機能などを選択的に画像化する
技術が次世代機能性MRIとして望まれています。

 次世代技術の中でも、特にフッ素原子を対象
としたMRIは、高い感度と低いバックグラウンド
のために期待されていますが、適切な
シグナルオフ・オンのスイッチング原理が
なかったため、進展が遅れていました。

 本研究グループは今回、分子構造の一部に
フッ素原子を導入した自己組織性分子を設計し、
これを用いてナノメートルサイズの
自己組織化ナノクラスター(ナノ集合体)を
構築し、フッ素原子の磁気共鳴信号の変化を
観測しました。

 その結果、設計した分子のみでは
ナノクラスターを形成してフッ素原子の信号が
全く検出されない(オフ)のに対し、
標的たんぱく質が結合した場合は、
ナノクラスター構造が崩壊することで
信号が強く検出される(オン)ことを
見いだしました。

 このようなナノメートルサイズの集合体の
形成と崩壊に伴うフッ素MRI信号の
オフ・オンスイッチングは全く新しい原理であり、
創薬開発や異常たんぱく質の検出による
病気の診断などを実現するための次世代
フッ素MRIの開発を加速するものと
期待されます。

 本研究成果は、2009年9月23日
(英国時間)に英国科学雑誌
「Nature Chemistry」のオンライン速報版で
公開されます。
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>創薬開発や異常たんぱく質の検出による
>病気の診断などを実現するための
>次世代フッ素MRIの開発を加速するもの

とのことです。

今後の展開として、
1.フッ素原子を含むナノクラスターの高機能化
2.オンオフ原理の拡張、ナノクラスターの
  サイズ制御、標的化戦略の導入などが必要
3.フッ素原子MRI装置の発展も重要

などが求められるようなので、まだ時間は、
かかりそうですが、期待しています。

関連情報です。
フッ素磁気共鳴信号をオフ・オンスイッチングする
ことのできる新原理を発見
(特定たんぱく質のMRI画像診断技術革新への
第一歩)

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