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2009年8月28日 (金)

T細胞の成熟に必須の新規遺伝子「themis」を同定

T細胞の成熟に必須の新規遺伝子「themis」を同定
-ヒトの免疫不全症など、免疫病の機能解明への
貢献に期待-

平成21年8月28日
独立行政法人 理化学研究所


詳細は、リンクを参照してください。


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 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、
免疫制御の中心的役割を果たすリンパ球の1つ
T細胞※1の成熟過程に、新規遺伝子「themis ;セーミス」
が関与していることを発見しました。

 これは、理研免疫・アレルギー科学総合研究センター
(谷口克センター長)アレルギー免疫遺伝研究チームの
吉田尚弘チームリーダー、免疫発生研究チームの
河本宏チームリーダー、角川清和研究員、安田啄和
研究員らによる研究の成果です。

 研究チームは、遺伝子上の塩基配列に1塩基の
突然変異を引き起こすENU (N-aethyl-N-nitrosourea)※2
という薬剤を用いて、マウスへ人為的に遺伝子変異を
誘導し、さまざまな変異マウスを作製するプロジェクト
を2004年から進めてきました。

 その過程で、末梢血※3のT細胞が通常の10%と極めて
少ない変異マウスを見つけました。

 そこで、T細胞をつくる胸腺という臓器の細胞
(thymocyte)を調べたところ、この変異マウスは
T細胞が成熟していく段階に異常があり、胸腺内の
成熟T細胞が30%程度減っていたことから、
この現象をSPOTR(single positive thymocyte
reduction; スポッター)と命名しました。

 SPOTRマウスの原因となる遺伝子を同定するため、
遺伝子連鎖解析法(SNP解析)※4を駆使して
候補遺伝子を絞り込み、塩基配列を解析しました。

 その結果、これまでに知られている遺伝子とは
構造的にまったく異なる1つの遺伝子を発見しました。

 SPOTRマウスでは、この遺伝子内のたった1個の
塩基が変異(1塩基変異)し、作られるタンパク質の
アミノ酸1個がトレオニンからプロリンに変わって
いました。

 この遺伝子が欠損したノックアウトマウスを
作製したところ、SPOTRマウスと同じ異常を
観察することができたため、発見した遺伝子が
T細胞の成熟段階に深く関与していることが
分かりました。

 さらに、この遺伝子は胸腺内で分化途上にある
T細胞にだけ発現していることも分かりました。

 折りしも、この遺伝子はいくつかの国外の
研究チームが同時期に発見しており、「themis」
という遺伝子名がつきました。

 themis遺伝子の機能を研究することで、
T細胞分化の研究に新しい広がりがもたらされると
考えられ、SPOTRマウスの遺伝子変異は、
T細胞の機能解明の糸口になると期待できます。

 本研究成果は、米国の科学雑誌『Molecular
and Cellular Biology』(9月15日号)に掲載されます。


今後の期待
 themisは既知の遺伝子とは異なるまったく新しい
タイプの遺伝子で、この遺伝子の役割を明らかに
することで、T細胞分化の研究に新しい広がりを
もたらすと考えられます。

 SPOTRマウスで解析した遺伝子変異の情報は、
themis遺伝子の機能解明の糸口になると期待
されるとともに、ヒトの免疫不全症とthemis遺伝子
との関連など、遺伝子レベルでのヒトの免疫病の
解明にも貢献すると注目されます。
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T細胞分化の研究への新しい広がりに期待します。

又、ヒトの免疫不全症とthemis遺伝子との関連など、
遺伝子レベルでのヒトの免疫病の解明への貢献にも
期待しています。

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