ウイルスでがん細胞退治、月内にも臨床試験 東大病院
ウイルスでがん細胞退治、月内にも臨床試験 東大病院
2009年8月11日1時9分 朝日新聞
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がん細胞を破壊するよう遺伝子を組み換えた
ウイルスを使って、がんを治療する臨床試験を
今月中にも始めると東京大医学部付属病院が10日、
発表した。
再発した悪性脳腫瘍(しゅよう)の患者を対象に、
がん細胞だけを狙い撃ちするウイルスを注入し、
安全性と効果を検証、新しい治療法の確立をめざす。
臨床試験を計画しているのは、東大病院の
藤堂具紀特任教授(脳神経外科)らのチーム。
07年に学内の審査委員会で承認され、09年5月、
厚生労働省の承認を受けた。
こうしたウイルス療法の臨床試験は国内初。
臨床試験の対象とするのは悪性脳腫瘍の一種の
膠芽腫(こうがしゅ)。
手術後に放射線や抗がん剤治療を行っても、
平均余命は診断から1年ほどで、2年生存率は
30%以下とされる。
国内では年間約10万人に1人が発症するという。
頭部に小さな穴を開け、開発したウイルスを
腫瘍部分に注入する。
腫瘍が再発し、治療の手だてがない症例が対象で、
2年をめどに21人に行う。
脳の炎症やまひなどが起こらないかや、
腫瘍の大きさの変化などを調べる。
注入するウイルスは、口の周りなどに水疱
(すいほう)をつくるヘルペスウイルスの三つの
遺伝子を組み換えた。
ウイルスが細胞に感染した際、がん細胞でだけ
増殖し、正常な細胞では増えることが
できないように工夫。
がんを攻撃する免疫細胞を強める働きももたせた。
これまで、ウイルスを運搬役にして、がん細胞の
増殖を抑える遺伝子を運ぶなどの方法はあったが、
今回の治療法はウイルスそのものが増殖して
次々にがん細胞を破壊する。
欧米では同様の臨床試験が始まっているが、
今回はさらに安全性や効果を高めたウイルスを使う。
藤堂さんは「ウイルス療法は脳腫瘍だけでなく、
前立腺がんや乳がんにも使える可能性がある。
慎重に研究を重ね、放射線や抗がん剤などと並ぶ、
新しい治療法の一つとして確立したい」と話している。
(佐藤久恵)
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素晴らしいですね。
良い結果が出ることを願っています。
新しい治療法の一つとして確立すると良いですね。
平均余命が診断から一年とは短すぎる。
ウルイルスベクターに何を使うのか、ウイルスに何を
させるのか、いろいろ考えられますが、
どういう考え方で、この治療をしようとしたのか
知りたいところです。
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