« RNA干渉に必須の2本鎖RNAの合成酵素をヒトで初めて発見 | トップページ | ナノ粒子、がん狙い撃ち…慈恵医大グループが開発 »

2009年8月24日 (月)

iPS細胞の安全性評価法-神経幹細胞塊に付随するテラトーマ形成能

iPS細胞の安全性評価法-神経幹細胞塊に付随
するテラトーマ形成能

研究開発トピックス(2009年8月-1)
(掲載日:2009年08月20日)iPS Trend JST


ご紹介です。
iPS細胞の研究状況に興味のある方は、リンクを
参照してください。

---------------------------------------
要旨
 この研究では、iPS細胞の安全性を評価する
ための指標として、神経幹細胞に付随する
テラトーマ(未分化細胞が集まってできた奇形腫)
の形成能をとりあげ、iPS細胞が成体のどの臓器に
由来するかによってこの奇形腫の形成のしかたが
大きく異なることをマウスの実験から明らかに
している。

 ヒトES細胞の特徴は、多種類の臓器へ分化しうる
「多分化能」と、分裂増殖しつづける能力「増殖能」
の2つの機能を持つことである。

 ES細胞の培養を続けると、後者の「増殖能」
のために未分化細胞の集塊(かたまり)を形成する
ことがあり、この集塊が腫瘍に似た形態を持つ
ことから「テラトーマ(奇形腫)」と呼ばれる。

 これまでの研究から、マウスのiPS細胞は、
胚性の線維芽細胞、尾端部の線維芽細胞、肝細胞、
胃粘膜上皮細胞、膵臓細胞、神経幹細胞、
Bリンパ球から作製でき、ヒトiPS細胞は、
皮膚の線維芽細胞、ケラチノサイト、末梢血の
細胞から作製できると報告されている。

 このようにiPS細胞は、元になる組織が多様である
ばかりでなく、その作製方法についても、
利用するベクターの種類、利用する選択培地の
種類なども多岐にわたっている。

 したがって、iPS細胞を再生医療などに臨床応用
するためには、多様な作製法で得られた細胞の
安全性の確保と世界標準としての技術の確立が
必須である。
---------------------------------------

|

« RNA干渉に必須の2本鎖RNAの合成酵素をヒトで初めて発見 | トップページ | ナノ粒子、がん狙い撃ち…慈恵医大グループが開発 »

遺伝子治療関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: iPS細胞の安全性評価法-神経幹細胞塊に付随するテラトーマ形成能:

« RNA干渉に必須の2本鎖RNAの合成酵素をヒトで初めて発見 | トップページ | ナノ粒子、がん狙い撃ち…慈恵医大グループが開発 »