「iPS細胞研究の知財戦略」を聞く(3) -全3回-
「iPS細胞研究の知財戦略」を聞く(3) -全3回-
羽鳥 賢一 氏
インタビュアー:本間 美和子(iPS Trend 監修)、
佐藤 勝昭、森本 茂雄(科学技術振興機構)
(掲載日:2009年07月14日)iPS Trend
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幹細胞出願は米国ベンチャーと大学がリード
羽鳥:
スライド16 は大学のライセンス収入の日米比較です。
図のように150倍もの開きがあり、米国の大学では特許出願費用は
ライセンス収入で十分まかなえそうです。
この収入の違いは、バイドール法が米国では日本に対し20年も前に
導入されたことが大きな理由と考えられます。
では、日本も20年経てば、米国と肩を並べることができるかと言えば、
事はそれ程単純ではないと考えます。
羽鳥:
MITはバイオのシーズを中心に年60億円のライセンス収入があります。
SeattleのWashington大も年40億円ありますし、Stanford大はGoogleの
収入が累計で300億円以上あります。
これに対して日本では東京大学ですら1億数千万円ですから、
とても特許申請にお金を掛けられません。
当面、JSTのより理解のあるご支援に期待したいです。
昨年、Wisconsin大で、Stem Cell Summitがありましたが、
そこでは、州知事が中心となって、大学・企業・投資家さらには
エンドユーザである患者さんまで全体が集まってみんなで連携して
総合力で実用化を推進するという雰囲気がありました。
日本では、なかなかできないことです。
聞き手:
やはり米国の民主主義の底の深さを感じますね。
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ものすごい差ですね。
なんか、がっかりします。
日本は、そんなに民主主義の底が浅いのでしょうか?
ベンチャーと大学を育てないとダメと言うように見えます。
そういう方向の法律が必要ということですね。
でも、「みんなで、総合力で解決していこう。」
というのは、当たり前のような気がしますが、
何が、問題で出来ないのでしょうか?
旗振り役がいない?
自分たちの利益しか考えない人たちが力を持っている?
国の仕組みが悪い?
とにかく、前に進むしかないはず、「民主主義の底の深さが、、」
なんて言ってないで、出来ることをしてほしい。
何かあるはず。
医療に関する審議でも、患者を入れない。
これは、どういうことでしょうか?
民主主義の底が浅いと言うしかない?
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