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2009年5月15日 (金)

記憶を正確に保存する神経細胞の仕組みを解明

記憶を正確に保存する神経細胞の仕組みを解明
(記憶の正確さに関わる精神疾患の治療や
リハビリテーション効率の改善に期待)


>JST目的基礎研究事業の一環として、
>三菱化学生命科学研究所の井ノ口 馨グループリーダーらは、
>ラットを使った研究で、記憶関連たんぱく質が
>神経細胞のスイッチ素子へ正しく配達されるメカニズムを
>突き止め、記憶が正確に安定して保存される仕組みを
>発見しました。
>本研究成果は、2009年5月15日(米国東部時間)
>発行の米国科学雑誌「Science」に掲載されます。


すばらしいです。
蛍光蛋白は、いろいろなところで利用されてますね。


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<今後の展開>
 シナプスタグ機構は、脳の情報処理の正確さを保証する
根幹の仕組みと考えられるため、記憶の形成に限らず、
脳がどのように感じ、覚え、考え、応答するのかを知る
ための研究に大きなインパクトを持ちます。
 さらに、下記のように数多くの波及効果が期待できます。

シナプスタグに生じる異常は、トラウマ記憶を
それとは無関係な種々の状況と結びつけてしまう
PTSDの症状に関わると想定されるので、
シナプスタグ機構を制御することによるPTSD治療法
の開発への展開が期待されます。

異なる出来事の複数の特徴を1つにまとめて
覚えることにより連合記憶9)ができますが、
シナプスタグ機構は連合記憶の保持に必要と思われます。
 統合失調症などの精神疾患の症状には、
記憶の連合が不正確になり事実と異なる組み合わせで
記憶をつなぎ合わせることが原因となっていると想定
されるものもあるため、シナプスタグ機構を制御する
薬を開発することにより、統合失調症などの改善薬
になる可能性があります。

脳卒中などで脳細胞が損傷を受けた時、生き残った
他の脳部位や再生した末梢に連絡する脳部位が
機能を代替することが知られています。
 この時、リハビリテーションで体を動かすことにより
新規の機能部位でシナプス伝達の改善が起きると
考えられています。
 シナプスタグ機構を適切に制御する
方法の開発が、リハビリテーションの効率を
改善するのに役立つ可能性があります。
シナプスタグ機構の制御の仕組みを記憶素子と
その制御演算に応用すれば、記憶の連合を
コントロールして、人間のように発想することの
できる新しい脳型コンピューターなどの
「考える機械」の開発へと展開できます。
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とのことなので期待しましょう。

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