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2009年1月26日 (月)

強い国を作った「人を切らない」思想

2009年1月20日
強い国を作った「人を切らない」思想
“障害者集団”、スウェーデン・サムハルの驚愕(最終回)

>数人の男たちが熱心にメモを取っていた。

>2008年4月、サムハルが受託している民間郵便会社の
>配送所には、トヨタ自動車の社員がいた。
>2008年5月、トヨタループスという特例子会社を作った
>トヨタ自動車。

>トヨタの社員がサムハルを訪ねたのは、
>2万人の障害者をマネジメントするノウハウを
>学ぶためだった。

>トヨタは今年度の決算で営業赤字に転落する
>ことが濃厚になった。
>進行中のプロジェクトは、その多くが中止や
>凍結の憂き目に遭っている。
>だが、障害者工場プロジェクトだけは継続して
>進めることが決まっている。
>それだけ、トヨタは障害者雇用に本気なのだろう。

>「あなたはスウェーデン語が話せませんよね。
>ここでは、あなたが障害者なんですよ」

>この幹部は冗談で言ったのだろうが、
>この一言は有村の心に響いた。
>環境が変われば、誰もが不自由な状況に置かれ、
>誰でも障害者になり得る。
>これは、裏を返せば、個人の差異は何も特別なこと
>ではないということでもある。
>障害を持つ。それは特別視するようなことではない。

>スウェーデンから帰国した翌日。
>バスに乗ると、車いすの青年が乗ろうとした。
>運転手が手伝ったため、発車が2分ほど遅れた。
>すると、青年に聞こえるように、1人の老人が呟いた。

>「お前のせいで遅れたんだから、一言、
>何か言ったらどうだ」

>青年はうつむいたままだった。
>自分自身を含め、誰も乗車を手伝わなかったし、
>老人に注意もしなかった。
>何より、そんな光景を前にしながら、
>体と口が動かない自分を恥じた。

>と同時に、スウェーデン社会との違いを肌で感じた。
>この意識の差はとてつもなく大きいのではないだろうか。

>なぜサムハルが存在しているのか――。
>これまで、この疑問を何度も繰り返してきた。
>社会的使命、社会的コストの低減、企業としての努力、
>時代に対応するマネジメント。
>答えはいくつも挙げられる。

>だが、最大の要因は国民の意識。
>サムハルに500億円の税金投入を許す
>国民の存在だろう。

>スウェーデン人の多くはサムハルを
>必要なものと考えている。

>民業圧迫批判は常に起きるが、「解体せよ」という
>議論にはならない。

>国民負担率で70%を超える高負担の国だが、
>「障害者に働く機会を与える」という政策を
>実現するために、自分たちの税金を使ってもよい
>とスウェーデン人は考えている。

>人口900万人の国と1億3000万人の国を
>比較することに異論もある。

>だが、介護や教育などの行政サービスを提供している
>のは基礎自治体。
>日本の市町村と規模はそう変わらない。
>スウェーデンの高福祉路線を支える地方分権と
>住民自治は日本でも見習うべきものだ。

同感です。
是非、真摯に議論して欲しい。
現在の子供達に託す、これからの日本について、

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コメント

>「お前のせいで遅れたんだから、一言、
>何か言ったらどうだ」

こういう発想をしてしまう人は逆にかわいそうですね。
いつ自分が車椅子のお世話になるかわからないのに。


投稿: ゆきな | 2009年1月26日 (月) 22時48分

そうですね。
同感です。

日本が人を切り捨てない国になるためには、

>この意識の差はとてつもなく大きい
>のではないだろうか。

ということですね。

難しい問題であると同時に、
時間のかかることと思います。
少しずつ良くなっていくとは思いますが、

自分の問題として考え始めないと、
変わらないでしょうから、
他人事であるうちは、駄目でしょうね。

投稿: haredasu | 2009年1月27日 (火) 16時19分

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